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ダンジョンにSAO転生者の鍛冶師を求めるのは間違っているだろうか
一時的パーティー結成
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う。

 「今回はラッキーだっただけだと思うけど」
 「そう…………じゃあ、私が持ってあげるわ」

 ちょっとの沈黙の後に軽い感じで少女が言って、そのバッグを背負いはじめた。

 「え?いや、それは俺の役目だろ」
 「いいから、私が持つと言ったら持たせなさい」

 楽になるから別にやぶさかではないけれど、鍛冶師はもっぱらパーティーにおいてサポーターの役目をするのが当然で前衛を任せている少女に荷物持ちをやらせるのはお門違いなのだ。

 「わかったよ」

 だけど、まあ、やりたいのならやらせればいいし、危なくなったら、助ければいいのだ。

 「別にいいでしょ?それでも気に入らないなら私があなたのご機嫌を取ろうとしていると思っていいわよ」

 けらけらと笑いながら言う少女からは俺のご機嫌取りをしようとしている感じはしなかった。

 「気に入らないわけではないよ。じゃあ、まあ、お願いします」
 「任せなさいっ。さあ、行くわよ」

 今から登山しに行くような大きなバッグを背負っているとは思えない軽やかさで歩いて行く。
 俺はその後ろを少女の気まぐれに小首を傾げながらついていった。

 『キュイッ!!』

 ルームを出て通路を進み、たどり着いたルームに兎モンスターの《アミラージ》の群れに出くわした。
 見た目は本当に兎そのまま。
 しかし、その前足に握られているのは天然武器(ネイチャー・ウェポン)というモンスターがダンジョンから提供される武器の一つ、石斧だ。
 その石斧を持つアミラージが俺達が来るのを知っていたように三体待ち構えていたのだ。

 「なんだか少ないわね」
 「俺が片付けてもいいけど」

 荷物持たせているわけだから今だけでも前衛のまね事でもしようかと思ったのだけど、

 「いいわよっ。前衛は私だしっ。さっき背負ったばかりだけど、荷物だけ置いていくから見ててよ」

 そう言ってバッグを下ろすと、前に進み出ながら音もなく抜刀すると、中段に構えた。
 その一連の動作は研ぎ澄まされた刀のように洗練されていてダンジョンに潜ってから何度か見ている俺はまた目を奪われる。
 俺のソードスキルを見よう見真似で模倣したなんちゃって剣術なんてくすんで見えると思う。
 顔は見えないけれど、少女の背中から感じる気は、いつも少女から感じるものとは掛け離れているものだった。

 「イヤァッ!!」
 『キュッ!!』

 鋭い発声とともに少女が不用意に間合に入ったアミラージ一体を俺の目でぎりぎり追える速さで正中線に沿って斬り裂き、左右に切断した。
 そして、そのまま瞬く間もなく、飛来した石斧を屈んで避けると、ここぞとばかりに肉薄してきた一体のアミラージを屈んだまま切り返しの水平斬りで断末魔を
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