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インフィニット・ストラトス if 織斑一夏が女だったら
第十二話《歯車》
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の姿ははっきりと確認できた。

だが、今は薄い霧のような《闇》が、空間に立ち込めていた。

私はもう、話すことはしなかった。

ただうつむき、自分の手を弄んでいる。

霧は徐々に濃くなって行った。

*

俺の異変は突如始まった。

身に纏っていたISらしき装甲が、心臓のように鼓動を繰り返し徐々に膨らんでいき、次第に一夏を飲み込んだ。

一夏を飲み込んだそれは次第に形を形成していった。

三つの人型。まるで、手を繋ぎ歩く三人の影が質量を持ったようにそこに産まれた。

三人の真ん中。胸にぽっかりと穴の空いた小学生ほどの人型の影から、薄暗い球が広がり、地を、風を、光を。すべてを飲み込み始めた。

*

《闇》がひろがり、私の姿が見えなくなりました。

『私』は、これからどうなるのでしょうか。

徐々に、『私』の精神が、体が、消えていくのがわかります。

私はもう、消えてしまったのでしょうか。

*

球の規模は徐々に広がっていく。瓦礫を、ISや人の残骸を飲み込み、ゆっくりと、侵食を進める。

千冬に為す術はなかった。

ありとあらゆるものが吸収されていく。近づくことなどできやしない。

ただ、様子を見ることしかできなかった。

いつの間にか、三つあったはずの人型は、二つになっていた。

二つ存在していた背の高い影の変わりに、少しだけ背の高い影が生まれていた。

球の規模が広がると同時に、その影は成長していく。

「これは、私達だ。」と、千冬は確信した。

胸に穴の空いているのが一夏。そのとなりが私・・・。

ならば、次に起こることは、わかっていた。

一夏の胸の穴は、成長するごとに徐々に広がっていく。

そして、一夏であろう影が、中学生ほどに達した頃。

千冬の影が、消えた。

千冬の影が消え、一夏の胸の穴は更に広がり、闇を纏った。

織斑千冬は、自然と涙をこぼしていた。

私は最初、生計をたてることしか考えていなかった。

生計をたて、一夏には良い暮らしをさせたかった。

だが、生計を十分にたてられるようになっても、私は一夏より、ISを選んだ。

私は、自分の『才能』に溺れていたんだ。

モンド・グロッソで優勝し、世界から光を浴びた。白騎士事件とは違い、私自身へと向けられた光。

酔っていたんだ。私に。力に。

その結果として、一夏を失ってしまった。私にとっても。一夏にとっても。

全て、私が悪かったんだ。

千冬は、《白騎士》のエネルギーを全てのシールドに回し、球へと一歩踏み出した。

爪先が球に触れると、黒電が大きな音を立て、千冬の侵入を拒んだ。

「一夏っ!!」

聞こえるかどうかも解
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