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インフィニット・ストラトス if 織斑一夏が女だったら
第十一話《織斑一夏は存在しない》
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の家の庭の窓をいきなり割り、土足で私を引っ張りながら中へ入りました。

そこには私のお父さんと見知らぬ女性。そして、小学生の織斑千冬がいました。

突然、お母さんが怒鳴りました。

お父さんも大声で怒鳴りました。

・・・しばらく、怒鳴りあいが続きました。

見知らぬ女性も怒鳴りました。

その時の私には、何が起きたか、わからなかったでしょう。

でも、今ではわかります。お父さんは不倫していたのです。

私のお母さんは、お父さんの不倫相手でした。

次第に熱をおび、物が飛び交うようになりました。

お姉ちゃんは、私をつれて逃げるように押し入れに隠れました。

しばらくしたら、見知らぬ女性の大きな叫び声が上がり、押し入れの床に血がしみてきました。

お姉ちゃんは、そのまま気絶してしました。

私は、押し入れを少しだけ開け、部屋の様子を見ました。

お父さんが、猫や犬みたいに血を流して倒れていました。

見知らぬ女性は逃げました。

お母さんも逃げました。

その家は先程までの騒ぎとは一変し、静寂が包みました。

私はなんだか堪えきれなくなり、押し入れから出て、お父さんに包丁を何度も突き立てました。今までの恨み、乱暴された恨み。

私は涙を流しながら大きく笑ったあと、気を失いました。

もう、私も限界だったのでしょう。

次に目を覚ました時、私は『私』となって、病室にいました。

この時からは『私』でも覚えています。

これまでの事は何も覚えていないのですから、『私』も驚きました。自分の名前も、親の名前も、住所も何も覚えていないので、まるで『私』が『私』でないみたいな、変な感覚でした。

ですが、実際に、『私』は『私』でなかったのですね。

『私』は私の記憶を見てわかりました。

『織斑一夏』は、お姉ちゃんがつけた名前。

私の本当の名前は≪アリア・ミュゼール≫でした。








さて、次にお話しするのは『私』が誘拐されたころの話になります。

『私』を誘拐したのは私のお母さん。スコール・ミュゼール。

記憶を見て分かったのですが、スコールは前より見た目は若くなっていました。やつれた頬はふっくらとし、カサカサになっていた肌もスベスベになっていました。まるで、別人みたいですね。

ここからは、『私』が自分で封印した記憶になります。

そう。スコールの拷問。

スコールはずっとこう言ってました。「私の娘を返して」。その時は意味がわからなかったのですが。今となってやっと意味がわかりました。






それでは次に、三つの人格についてお話ししましょう。

まず、多重人格というのは大抵過酷な心的外傷体験
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