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リリなのinボクらの太陽サーガ
月詠編 暗雲
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は、ずっと姐さんのために頑張ってきたんだよね。何もかもを投げ捨てて、姐さんを取り戻そうと運命に抗ったんだよね。今の私や姐さんがあるのは、世界が母さんの努力を無にしないでくれたからだと思う。……いや、きっとそうなんだ。だから……その分ありがとうって、ちゃんと言わなきゃ」

「そうだよ、ママ。世界がママを許してくれたんだから、その恩を忘れませんって今度は世界に示さなきゃ。ママが真剣に言えば想いは私を通じて太陽意思にもちゃんと届くから、精いっぱいの言葉にして伝えようよ」

「フェイト……アリシア……確かに、あなた達の言う通りね。……ありがとう。私の光を……ありがとう……!」

想いが込められた母さんの感謝に応えるべく、太陽の光と大地の風が私達を包んでくれた。それはまるで私達の気持ちを空へ届けて、同時に地上へ注いでいるようだった……。

その時、ふと何処かで紙のめくれる音がする。興味を抱いて音のした方に行ってみると、ボロボロの小屋にあった机の上に小さな手記が置かれてあるのを見つけた。なぜか懐かしい気持ちが湧き上がってくる手記を手に取り、母さんと姐さんの所へ戻っていく。それからしばらくの間、私達3人はその手記を読みふけるのだった。私達の幸せを願いながら消滅していった、山猫の家庭教師の深い愛情が込められた大切な手記を…………。

・・・・・・・・・・・・・・・・

〜〜Side of はやて〜〜

ゲンヤさんという男性局員に車で送ってもらい、聖王教会へ到着した私達は早速騎士カリムと騎士シャッハの所へと向かった。事情は既に伝わっていた彼女達は今回の事態を重く受け止めており、私達からより詳しい話を聞く姿勢をとっていた。

「全く、管理局は困った選択をとってしまったわね……彼の存在はこの世界の未来に大きく関わるというのに……」

「せやね……でも混乱を招く可能性があったとはいえ、相当大事な内容が含まれているはずの預言の事は伝えへんかったんですか?」

「地上本部には一応伝えたのですが、『このような預言に意識をとられていては、守れるものも守れなくなる』と言われて一蹴されてしまいました。地上が駄目なら本局を、と思って今度は本局でも同様に申したのですけど、やはり聞き入れてくれませんでした。返事として例えば『我々の威信である魔法の力を消し去る者の存在を認めるわけにはいかん』などと……」

「やはり……管理局は魔法至上主義に思想が凝り固まってしまっているようだ。それゆえ魔法を消す効果がある暗黒の力を受け入れられないのだろう」

「でも気持ちはわからなくもねぇんだよ、あたしらだって魔法を使ってきたわけだし。そりゃあ自分達がこれまで使ってきた力が否定されたら、誰だって嫌な気分になるさ」

「しかし管理局がそれを受け入れなくては、兄上殿の命
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