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リリなのinボクらの太陽サーガ
月詠編 暗雲
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んなこんなで意気揚々と開いてる扉の捜索を再開するも、無情にも開いてる扉は一つもなく、結局最初の地点に戻ってきてしまった。

「むむむ……こうなったら……! ……開け、ゴマ! 48273! エクメトテロエス! バルス!!」

ドゴォンッ!!

タンカーの操舵室が爆発した。思わず呆然とした私は、誰も追及していないのに冷や汗をかきながら弁護を始める。

「い、いや……ほんの出来心やったんよ? 私だって例の自爆呪文を唱えて、まさか本当に爆発するなんて思わんかったんや……。ほ、ほんとやよ?」

って何をしてるんや私は! 爆発が起きたっちゅう事は中で何かが起きとるって事や。頭を振って気持ちを切り替えた私は、飛行魔法を使って炎と煙に包まれている操舵室から中へ入る。操舵室を覆う炎は凍結魔法を使って消火していき、少し手間取ったが何とか鎮火させる事は出来た。しかし被害は楽観視できるものではなかった。

「うわ……これはちょっとマズいなぁ。舵やコンパスが完全に壊れて、タンカーの操縦が出来んくなっとる。爆発に乗組員が巻き込まれていないっぽいのは不幸中の幸いやけど、それなら彼らはどこに?」

とりあえずここにいても埒が明かない。一気に高まった緊張感の中、クルセイダーを構えて慎重に内部の探索を開始。船室、居住区、機関部を探ってみたが、所々に戦闘の跡が壁や床に残っており、タンカーで何かが起きている事に怖気を感じる。周囲を探ってもさっきの機械が巡回しているだけで、人の気配は一切なかった。となると船倉ぐらいしか残っていないから、階段やハシゴを降りていって海面より下のエリアへ入り込む。そこで見た第一船倉では、このタンカーの乗組員が全員捕まっており、護衛の騎士達が意識を失って倒れていた。

「これは……一体何が!?」

彼らを応急処置して事情を聞くべく、急いで近くにあったハシゴから降りて駆け寄ろうとするが、ふと人影が見えた事ですぐさま物陰に隠れる。青っぽいスーツを着た銀髪の少女がどこかに無線で連絡を取っているのを、耳を研ぎ澄ませて聞いてみる。

「……ドクター、潜入中に接触した人間は全て確保、抵抗戦力も無力化しました。目的であるレリックの確保は完了し、現在、トーレが艦長に例の物の在りかを尋問中です」

『そうか、よくやってくれた。尋問に気を取られ過ぎて、脱出が遅れないよう注意しておくんだよ』

「ファーヴニルの襲撃前にミッドチルダから脱出する事は忘れていません。ところで例の物がミッドにあった場合、回収は可能なのでしょうか?」

『ファーヴニルによってミッドが崩壊した後にアレが無事に残るかは運次第だけど、おそらく大丈夫だろう。なにせベルカの戦乱を終わらせた程の切り札なのだから。なんにせよアレを手に入れるためなら世界の一つや二つ、安いものだよ。まぁ
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