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ダンジョンにSAO転生者の鍛冶師を求めるのは間違っているだろうか
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っていた曲刀を振り上げて、部下に指示した。
その曲刀は俺の仲間の血を吸っている。
「うぃ〜す。もう、ちょろいっすよ」
「だな。それよりもあの女と遊びたかったな」
「まだそんなこと言ってんのか?まあ上玉に違いねえがな!ギャハハハハハっ!!」
耳にも入れたくない台詞を吐く部下四人の動きに合わせて俺はソードスキルの予備動作に移った。
「俺は三秒後に突進して隙を作るっ。その間に逃げろっ」
敵を見据えたまま先程と同じ声で隣の少女に叫ぶ。
「だめですっ!トキワはHPゲージがもう数ドットしか残っていませんっ!」
しかし、いややはりと言うべきか、俺の内心も知らず、大声で叫び返してくる。
俺の視界の端に見えるゲージは確かに数ミリしか残っていない。
しかし、そんなこと俺にどうでもいいことだ。
それよりも、そんな俺のHPゲージよりも残り少ないお前のHPゲージの方に俺は死ぬほど恐怖しているのだ。
「そんなこと知ったこっちゃないっ。逃げなければ俺はお前を絶対に許さないっ!絶対にだ!」
俺は叫び、宣言通り三秒を数えたと同時に予備動作を完成させ、ソードスキルを発動させた。
「トキワーーーーーっ!!!」
血のように紅い淡光に包まれた体が弾頭のように打ち出される瞬間、背後からの少女の絹を裂くような絶叫を聞き終えることもなく、俺は腕に小さな衝撃を感じた。
次の瞬間、確かな加速度で進んでいた体が乗っている電車が急停車したようにがくっと制動した。
「なっ?」
俺は自分がこんな時に気が遠くなるほど繰り返してきたブーストモーションがアシストを阻害したのかと疑ったけれど、違った
。
HPゲージの下、見慣れたアイコンがいつの間にか表示されていた。
アイコンが示すのは麻痺状態のデバフ発生。
そのアイコンは何も悪いことはしていませんよというような何食わぬ顔でそこにいた。
気付けば体に何の力も込められない。
だけれど、ソードスキルを阻害したことによる硬直時間の途中のために倒れることもできなかった。
「やっぱり、突っ込んできたなぁ。こう追い込まれた奴らって決まってやることが同じなんだ?読まれてるってのによ」
アイコンから揺れる視線を前方に向けると、部下四人の後ろ、リーダー格がつまらなさそうな顔で言った。
曲刀を握っていたその手にはいつの間にか小型のナイフ、否投剣があった。
それを見て、俺はすべてを悟った。
リーダーが部下だけを行かせたのは観戦のためではなく、縮まる包囲網を突破するために突進技のソードスキルを発動した俺を麻痺状態を引き起こす投剣で阻害するためだったのだ。
視線を落とすと、俺の推理を裏付けるようにナイフが腕に刺さっていた。
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