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魔法科高校〜黒衣の人間主神〜
九校戦編〈下〉
九校戦九日目(7)×無頭竜幹部&ジェネレーター捕獲からのガサ入れ
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しい素性が分からんのだ。調べがついた事といえば、氏名・住所・学校における所属と外見のみ。係累はおろか家族構成も不明、親の職業も会社員と言う以外の詳細は不明。日常的に必要となるデータ以外のパーソナルデータは一切判明しなかった」

「何だそれは?この国は世界的に見てもパーソナルデータのデータベース化が進んだ国だ。民間のデータベースを覗いて見るだけでも、それだけの情報しか取れないというのは可笑しいだろう」

「データがロックされているのではなく『織斑一真』に関するデータが組織的に消去されていると見るべきだろう。それ以外に考えられない」

無頭竜の幹部らが会話をしているのに対し、本人である俺は苦笑しながら通信機で聞いていた。そして発信者である同僚の顔をまじまじと見詰めて、そして無言で顔を見合わせていた。

「ただの高校生ではないのか?」

「あらゆる民間のデータベースを組織的に書き換えるとなれば、国家権力でも相当高いレベルの権力か権限が必要だ。あるいは国家の最高権力へ自由に介入出来るだけの影響力が」

「そう言えば民間人にすり替えた時もその餓鬼が、『ドウター化』の事を知っておりながら偽物と本物を見比べれる者だったと報告に上がっている。もしドウターの事を知っているとすれば、蒼い翼かソレスタルビーイングの関係者でしか思えない」

「私達はとんでもない餓鬼を相手しまったという訳なのか?ドウターの事を知っているのは、いくら日本軍でも知らないはずだ・・・・」

そのようにして荷造りの手が止まっていた彼らの耳に、突如とした苦痛かまたは苦鳴が届いた。部屋の片隅にぼんやりと立ち尽くしていた四つの人影は、東日本総支部幹部の護身道具として貸し与えられたジェネレーター。

外部からの攻撃を遮断する為、四種類の術式を担当する魔法発生装置の内の一つ、外壁の情報強化を発動していたジェネレーターが苦鳴の発生源だった。原因はすぐに分かり、望まずに理解したようだが南側の壁に大きな穴が開いていた事だ。

先程まで壁だった所に穴が出来ており、突き破られたのではなく切り裂かれたのでもなく砕けたのでもなく、鉄骨と鉄筋と鋼管を残してコンクリートが砂とセメント粉末になって一瞬にして崩れた。苦鳴は、情報強化魔法を破られた反動をもたらした苦痛によるものだが、苦しげな声が発せられたのは一瞬の出来事となる。幹部達が苦鳴の原因に思い当たったのは、後追いの思考によるもので無頭竜は単なる犯罪シンジケートではなく、魔法を悪用する犯罪組織。

「おやおや、幹部達はさぞ驚いている様子のようですな。烈」

「そうだな。幹部として取り立てられる為には、魔法師である事が条件なのであそこにいる者達全員が魔法師だと言う事もな。そして織斑少将の事を餓鬼だと言った事について、今更後悔しても既に遅い
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