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Tales Of The Abyss 〜Another story〜
#24 六神将・鮮血のアッシュ
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「そーいや……お前… 俺と同じで記憶喪失なのに。……その、あーいう事見て……、なんとも思わないのか?」
ルークは、渋々ここで待つ事を決めた後、聞きたかった事をアルに訊いていた。アルは、突然ルークの表情が暗く沈んでいるのを見て驚いてはいたが。
(そっか……、そうだよね。ルークは公爵の息子って言ってたし……、戦いだって、無い筈。……オレはアクゼリュスの件があったから)
アルは理解しつつ、ルークの方を見て話す。
「さっきの事……だね」
アルの言葉に、ルークは返事をせずただ顔を背けた。
「オレはさ……、オレの大切な人達が、暮らしている町がモンスターに襲われた時に、ちょっとあってね。 ……その時は、幸い死者は出てなかったけど、 重傷者は何人も出てたんだ。沢山、血だって流れていた。 ……それで、あまり動じなくなったのかもしれない、かな? ……でも、オレも人が人を刺すところなんて見たのは初めてだよ。ルーク。」
「ならなんで 平気な顔してんだよ! アルといいティアといい!!」
ルークは、アルの言葉を訊いて思わずそう言っていた。まるで動じずにここまで着ていたのだから。あの後も、決して多くはなかったけれど、それなりに戦いはあった。でも、全く変わらなかったのだ。また、刺してしまうかもしれない、と全く考えていない様だったから。
「人を……、刺したんだぞ…… 相手は、魔物じゃない…… 人なんだ……」
ルークは僅かながらに震えていた。それを訊いたアルは。
「……彼らだって、……好きで人を殺している訳じゃないと思うんだ。 ……だって、そうしないと これからもっと人の命が失われるんだから。 オレは目の前で見た。ただ……、鉱山でいつも通り仕事をしているだけの人たちを、理不尽に蹂躙するかの様に襲う魔物たちを……、アレだって、人と魔物の戦争みたいなものだ。……人と人の戦争が起これば、人が人を殺す、もっと悪化すれば、 戦士じゃない平和に暮らしていた街が戦場になるかもしれない……んだ」
そう、それは国境付近の町 アクゼリュスでも起こりえる事だ。いや、寧ろ国境だからこそ その可能性は高いだろう。障気の問題は置いといたとしても。
「オレは、そんなのは嫌なんだ……。笑顔で暮らしていたのに、毎日、頑張ってきたのに。……そんな事になるのは」
そう言うと、アルは俯いていた。
「………」
ルークは、それ以上何も言い返す事はせず、ただ黙ってアルの話しを聞いていた。
そんな時だった。
『う………うぅ…………。』
甲板に、声が聞えてきたのだ。今にも、消え入りそうな……そんな呻き声が、
「っっ!! ルークっ! 向こうだ!」
戦闘も起こらず、静かな場所だった
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