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魔法科高校の神童生
夏休み編
Episode39:暗殺者の夏休み〜前編〜
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ましょう」

 そう言って嗤う男を前に、萎える足に喝を入れなんとか立ち上がる。どんな攻撃が来ても対処できるようにナイフを構え、半身の姿勢を取った。

「アクティベイト」

 だがその起句に、隼人とリーナは驚愕することとなる。
 ブルーノの声によって浮かび上がったナイフは四本。何れも、リーナが先程使用したナイフだった。

「ダンシング・ブレイズ」

 刃の切っ先が、全てリーナに向いたのを、隼人は放たれる直前に視た。
 リーナは自身の魔法を模倣された衝撃で動くことができていない。このままでは、容易くナイフに切り刻まれてしまうだろう。
 走る。魔法だけでは既に手遅れ。そう判断を下して、隼人は左腿に取り付けていたホルスターから、ベレッタを抜きはなった。
 狙うは弾速が最も速いナイフ。あれのみが、隼人が駆けつけるまでに間に合わずリーナの体に突き刺さる。

 だが只の銃弾ではナイフに当たる前にその切っ先はリーナを貫く。
 
 故に、隼人は射出した弾丸に加速魔法を付与した。
 狙い通り、発射の反動が腕に伝わった時には、既に弾丸はナイフを弾き飛ばしていた。

「間に合う……!」

 最速のナイフを弾いた事により、隼人は残る三本のナイフがリーナを貫く前にその身を間に捩込む事に成功した。
 すぐ様向き直り、右手に握ったナイフを一閃する。

「ぐっ…!」

 一本目をナイフで弾くが、直後の二本目は迎撃が間に合わず左足に突き刺さった。それでも、顔目掛けて飛翔する最後のナイフを左手で掴み取って、なんとか防ぎきることに成功する。

「やるじゃないか。だが、もう時間だ。また会おう、九十九隼人、アンジー・シリウス」

 ブルーノの声が聞こえた時には、既に空間跳躍魔法は完成していた。空間が捻じ曲がり、二人の姿は、その場から消え失せていた。



「く…!」

「ハヤト!」

 崩れ落ちた隼人を、なんとか受け止める。

「リーナ、ごめん…」

「別にいいわよ。それより…!」

 リーナはナイフが突き刺さった隼人の左足を見た。
 かなり深々と突き刺さっているのを見るに、まともに食らってしまったのだろう。

「いっ、ててててて!」

 そんな事を思って目を離している隙に、なんと隼人は根元まで突き刺さっているナイフを一息に引き抜いていた。
 噴水の如く巻き上がる血に、何をしているのかと急いで自分の服の袖を引き裂いた。
 引き裂いた布を、手際よく傷口に当てて結わいていく。

「ここじゃ、応急処置しかできないわね。取り敢えず帰るわよ、ハヤト。話をするのも、治療をするのもその後よ」

「……仰せのままに、っいててて」

 最後の二人は逃してしまったが、当初の目的である支部の掃討は完了してい
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