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ペルなの
14.相談
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「じゃあシャドウはタルタロス以外にも出るんですか!?」

美しいソプラノの歌声とピアノの伴奏が響く無駄に広い蒼のエレベーター内。

彼女はいつもの様にエレベーター、ベルベットルームの住人と向き合い話を聞いている。

「さよう。そもシャドウというのは、ヒトが誰しも持つ負の側面により異層に射す影。いうならばガラス一枚に映る虚像がシャドウ、故にお客人の世界に出没する事は本来有り得ぬ事な訳ですな」

彼女と対面で座る妖怪鼻長はベルベットルームの主であるイゴール。

彼は彼女の質問に粛々と答えてくれていた。

「ヒトの欲の暴走により誕生した実と虚の入り交じぢた異界たる影時間、そしてニュクスの道標たるタルタロスこそが例外。本来ならば高次に座す方々が境を弄らぬ限り、ヒトとシャドウが対面する事無いと断じれましょう」

「でも確かにミッドガルでシャドウは出たんです。イゴールさんの言う通りなら、高次に座す方々……ニュクスみたいなのが関わってるって事ですか?」

「さて、お客人には申し訳ありませぬが、千里眼を持たぬ身としてはお応えしかねますな。ただ言えるとすれば、私めが知る限りはシャドウが影時間を介さずにお客人の世界に出没する事は今までありません」

「そう、ですか……」

仕方ない事なのは分かってるが、彼女は唯一の手掛かりだったイゴールにも分からない、もしくは答えられないとなると流石に意気消沈もする。

元々彼女は長年デスを宿していた為に喜怒哀楽の感情の幅が極めて狭く、生きる為の処世術として内心の無感心無感情を隠しながら周りに居た『普通の人』を真似して生きてきた。

故に特別課外活動部で過ごした一年の間で改善していった感情を、彼女はまだ完璧に制御出来ず持て余している為に、それを長い年月を過ごすイゴールとエリザベスの目を誤魔化す事は出来なかった。

「主はあの様に申しておりましたが、幾つか考えられる可能性はございます」

「ホント!?」

「これ、エリザベス」

エリザベスの言葉に瞳を輝かせる彼女と軽く叱責と重い忠告を織り混ぜるイゴール。

「申し訳ございません主。ですが、暫しの越権を御許し下さいませ」

「……やれやれ、仕方ありませんな。しかしエリザベス、きちんと節度は弁えるように」

「モチのロンでございます。では許される範囲でご説明しますと、高次の方々が干渉する際には大体の場合に何かしらの形でヒトをお使いになられるのです」

「ヒトを?」

「はい、それは神通力であったり神器だったりと様々ですが、ヒトが世界に干渉する手段を与え、動かすのです。現代では高次の方々が直接顕現して力を振るうには信仰も神秘も不足しておりますから。そして神通力なら与えられたヒトが亡くなれば消え失せますが、神器はそうでは
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