第七幕その五
[8]前話 [2]次話
「あのテントの中におられるよ」
「そうですよね」
「ではね」
「はい、今から」
「あの中に入るよ」
「わかりました」
「酋長は丁渡お茶を飲んでいる時かな」
こうもです、ネイティブの人は言いました。
「今は」
「そういえば丁渡」
恵梨香はネイティブの人の言葉にお顔を少し上にやって言いました。
「三時位ですね」
「うん、だからね」
「酋長さんもですね」
「お茶にお菓子をね」
「楽しんでおられるんですね」
「僕達もね」
ネイティブの人はこうも言うのでした。
「そろそろ」
「お茶にお菓子をですね」
「僕達は玉蜀黍以外にも食べているんだ」
「お菓子もですね」
「そう、これでも他の村の人達と交易もしていて」
その交易で、というのです。
「玉蜀黍をあげてこちらも貰ってるんだ」
「お菓子を」
「お嬢ちゃんは日本人だね」
ネイティブの人は恵梨香のお顔を見て言いました。
「そうだね」
「はい、そうですけれど」
「うん、日本のお菓子もあるし」
今度はナターシャも見て言うのでした。
「ロシアのお菓子もね」
「我が国のお菓子もですか」
今度はナターシャが応えました。
「私の国のお菓子も」
「あるよ」
「ブラジルのお菓子もありますよね」
カルロスは自分から尋ねました。
「そうですよね」
「あるよ、とにかくね」
「お菓子もですね」
「僕達は大好きで色々と食べているんだ」
「そうなんですね」
「では今からね」
ここで、でした。ネイティブの人がテントの入口を開けてです。皆はテントの中に入りました。するとそこにはネイティブの服を着て、です。
頭には紫の鷲の羽根を数えきれないだけ一杯着けた帽子を被っているお年寄りがいました、丁渡ブリキのカップで何かを飲んでいるところでした。
そのご老人は一行を見てです、まずは魔法使いとカエルマンを見て言いました。
「これはようこそ」
「酋長、久し振り」
「お元気そうだね」
「はっはっは、この通りじゃよ」
酋長と呼ばれたご老人は気さくに笑って応えました。
「今もこうしてな」
「お茶を楽しんでるんだね」
「左様じゃ」
酋長はカエルマンにも答えます。
「交易で貰った紅茶をな」
「それは何よりだね」
「お菓子はシュークリームじゃ」
見れば酋長の前のお皿、胡座をかいて座っているその前に陶器のお皿があってです。その上に紫のシュークリームが幾つもあります。
「今日はこれがおやつじゃ」
「それは何よりだね」
「して今日は何用かのう」
酋長はあらためてカエルマン達に尋ねました。そして恵梨香達も見るのでした。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ