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リリカルってなんですか?
A's編
第三十三話 後(2)
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くことは、心に少なからず痛みを与えるのだから。

 はやてちゃんの心からの叫びを困ったような表情で聞いていたリィンフォースはやがて慈愛の満ちた笑みで、晴れ晴れとした笑みを浮かべてはやてちゃんの言葉を否定するように首を横に振った。

「主はやて、よいのですよ」

「なにがいいんやっ!」

 はやてちゃんの追及をうけるとリィンフォースさんは、どこか昔を懐かしむように、悔いるように少し目をつむりやがて答えた。

「悠久ともいえる時を生きてきました。幾多の命を奪い、消えるという地獄の連鎖の中を生きてきました」

 それは後悔だろうか。あるいは、懺悔だろうか。リィンフォースさんの淡々とした口調の中には、どこか暗い色を含んでいた。それを感じられたのか、はやてちゃんも今までの勢いが少しだけ怯む。その様子に気付いたのか、あるいは気付かないふりをしたのか、リィンフォースさんは言葉を続ける。

「ですが、それも主はやてと出会い、小さき勇者たちのおかげで解放されました」

「ならっ! ならっ! それでええやないかっ! もう、暴走なんかさせへんっ! 私がなんとかするっ! やからっ!」

 そう確かにそれでもいい、という判断もあったかもしれない。しかし、それはリィンフォースさんの今の判断とは相いれないものだ。彼女はここが去り場所だと悟った。ここが闇の書の―――夜天の書の終焉だと。だからこそ、感謝と恩しかないはやてちゃんの言葉にも微笑みながら首を横に振るのだ。

「私は最後に綺麗な名前と心をいただきました。これらを抱いているから私は笑って逝けるのですよ」

 すべてあなたのおかげだ、と感謝するようにリィンフォースさんは笑っていた。

「なんでや………もう、シグナムも、ヴィータも、シャマルも、ザフィーラもおらんのに、なんでリィンフォースまで消えるんや」

「主はやて………」

 この言葉には、さすがに覚悟を決めていたリィンフォースさんも悲哀の表情を見せる。もしも、はやてちゃんが知っている写真に写っていた彼らが残っていたなら、はやてちゃんの心ももう少し救われたのかもしれない。リィンフォースさんがいなくなったとしても、彼らと過ごす楽しい時間が、その悲しみを埋めてくれたかもしれない。

 しかし、それはただの『たられば』だ。実際には、はやてちゃんと仲のよかった彼らはどこにもいない。彼らは全員逝ってしまっている。すでに傷を負っている彼女の心にリィンフォースさんの喪失はさらに深いものとなるだろう。

 だが、リィンフォースさんはすぐにふっ、と笑みを強めた。

「大丈夫です、主はやて。私や守護騎士は確かにいなくなってしまいます。ですが、もう一人ではありません。一人にはなりません」

「―――そうだね」

 僕はリィンフォース
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