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鐘を鳴らす者が二人いるのは間違っているだろうか
25.西が東で南が北で
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ように(事実、そう見えなくもない)仲のいい二人はこの短期間で町の名物みたいなものになり、そこにロリ神ヘスティアが加わると愉快すぎるヘスティア・ファミリアの完成である。

 なお、噂によるとベルコンビは一部の脳が腐腐腐な婦人たちにも大人気らしいが、そこはさて置いて………ともかく二人はいつものようにギルドへ向かっていたのだ。

 ただし、リングアベルだけは今日が特別な日になるであろうことを予見していた。

(日記によると、今日だな……もしもティズ・オーリアが災厄を生き残っていたなら、彼は今日この町で目撃されるはずだ。そして、恐らくアニエス・オブリージュも共にいる)

 そう、Dの日記帳の記述によると、後にヘスティア・ファミリアの一員となるティズとアニエスがこの町に訪れている筈。そのため、リングアベルは何でもない風を装いながらも周囲に目を光らせていた。

 具体的な日記の内容はこうだ。

『風の巫女が、ファミリアの一員……?にわかには信じがたい。神と正教は仲が悪い筈だ。だが、あの緊張感がないファミリアの主神がややこしい事に首を突っ込んでいるとは思えないので、神殿襲撃の煽りで行き場を失ったのを拾っただけかもしれない。さてはて、神殿を襲ったのは本当に野生の魔物なのか……? 追記:一緒にティズという少年もファミリア入りを果たしたらしい。俺の調査とは関係ないだろうが、念のために二人とも暫く様子を見ることにする』

(日記の持ち主(ひょっとして→俺)め……相も変わらず含みのある書き方だな。噂に聞く中二病というやつか?)

 中二病とは、今大陸で大人気の歌手「プリン・ア・ラ・モード」の大人気曲「純愛?十字砲火」の歌詞で『十字砲火!』が『中二病か!?』に聞こえるという空耳現象である。遠い異国の教育機関には中学校というのがあるらしく、丁度中学2年は思春期まっしぐらで恥ずかしい過ちを犯しやすいことからとって、中二病=カッコつけたがってるけど痛々しいという意味で定着しつつある。

 しかし、記憶を失う俺は中二病だったのか?脳内で質問してみると、今のお前も別の意味で大概だ!と謎の返事が返ってきた。空耳なので無視することにする。

「あれ?先輩見てくださいあの女の人……なんか困ってるみたいですよ?」
「ん?あれは………」

 ベルが指さす先――そこには、何やら困った顔で周辺をキョロキョロしている長髪の少女がいた。
 
 清楚を強調するような白いワンピースに、外部を拒絶するかのような黒い手袋とブーツ。カチューシャで纏められたツヤのある茶髪が背に流れる少女は、どこか風を連想させる近寄りがたい美しさを湛えていた。

 年齢は自分と同じくらいだろうか。少なくともベルより大人びた少女は、リングアベルの知る限り見覚えのない顔だ。あれだけの美少女が
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