1部分:第一章
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笑みであった。その妖しい笑みを浮かべたうえで女はまた尼僧に対して言うのであった。
「許す神だったわね」
「それがどうしたというのですか?」
「その許しを得られるには」
ここで言うのであった。
「罪を犯すことが前提よ」
「罪を」
「そう、罪を犯さなければ許されることはない」
女は妖しい笑みと共に告げていくのであった。そのまだ幼さの残る美しい尼僧に対して。
「決してね」
「では貴女はあくまで罪を」
「私にとって罪ではないわ」
あくまで自分にとっては、というのである。
「けれど貴女にとって罪というのなら」
「どうしろというのですか?私に」
「犯しなさい」
明らかな誘いの言葉だった。
「その罪を。犯しなさい」
「神に仕える身であるこの私にその様なことを」
「そうすれば貴女は許しを得られるのよ」
彼女の目を見ながらの言葉であった。妖しい笑みをその美麗な、媚惑的な美貌をたたえたその顔に浮かべてみせて。そのうえでの言葉であった。
「神のその尊い許しが」
「では私は」
「さあ、来るのよ」
また尼僧に告げたのだった。そして右手を伸ばし彼女を誘う様にしてまた。
「私のところへ」
「私は・・・・・・」
「許しを得なさい」
戸惑う彼女に対してまた告げる。
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