暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
現実世界
第122話 記憶の欠片
[7/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
、頭の中にノイズと共に、断片的な映像までが流れた。


――……それは、忘却の彼方に流れた筈の記憶。消えてしまったと思われる記憶、隼人はそう直感した。


 あのジムで起きた痛みと同質だったから。
 そして、同時に現れた痛みに、驚いておもわずナーヴギアを落としてしまった。

「ッッ……ぁっ……」

 隼人は、頭が割れそうだと思える程の激痛に、蹲りそうになるが、懸命に抑えた。

 これは、その記憶は本当に大切なもので……。そして、思い出さなければならないものだと。

――……自分の心の奥底で何かが叫んだから。


「ふぅっ……ふぅっ…………っ。」

 隼人は、ナーヴギアに手を伸ばす。
 これをそのまま付け様としたが、その瞬間、爺やの顔も浮んだ。今の大切な人の顔が浮かんだ。これは、人の命を、沢山の人の命を奪った機械だ。……だからこそ、心配かけたくない、と言う想いもあった。

 そう、大切な人に。

「たい……せつな人?」

 ……それは彼の中では、間違いなく爺や……綺堂源侍だろう。

 間違いない、筈だ。

 でも、もう1つ、もう1人頭の中に……浮んでいた。このナーヴギアを持っていると浮かんできたのだ。



『ほんと……っ?ほんとに、また会える……?あっちで……おつきあいして……けっこんして……一生あなたのとなりで……いられる……?』



 目の前に確かに誰かがいる。誰なのか、確認する事が全く出来ない。断片的にだが ゆっくりと頭の中にノイズと痛み、そして映像が流れ出た。




 その場所は、身に覚えはない。




 そこは、この世界のものとは思えない程、美しい黄金色の空の下だった……。




『わ………わたしも、■■■■君の事、愛しています……。心から、愛しています……。』





 それは、何処か……、此処とは違う世界で……。何かを教えてくれた人がいた。自分の方を見て、涙を流している。でも、それでも 美しい笑顔もみせている。



 ノイズと、乱れた映像のせいで、顔ははっきりとしないが、それでも判ったのだ。



「ッ……」

 隼人は、頭を抑える。痛みが脳髄の奥まで響いてくる。



『……くん……たすけて……っ たすけてっ……』



 また、声が聞こえてくる。
 その声の主は一体誰なのだろうか?隼人は必死に見よう見ようとするが、見ようとすればするほど、訊こうとすればするほど、……何も見えないし、聞こえなくなってしまう。


――……隼人は、これ以上は思い出させそうに無かった。


 ……何よりも、これ以上無理をすれば 気を失いそうだったから。だから、ナーヴギアの側面に手を伸ば
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ