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ソードアート・オンライン〜Another story〜
現実世界
第122話 記憶の欠片
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憶が無い隼人。
だから、SAO事件も元は知らない。だが、どういうゲームなのかは知っていて凄く楽しみにしていた記憶はある。
だから、今回の《ALO》を、凄く楽しみにしていたのだ。
「……よっし、っとその前に……行っとこう……っと!」
隼人は立ち上がって外へと出て行く。
どうやらトイレの様だ。
折角、プレイしてたのに 開始途中で出鼻をくじかれたくないから、先に済ませようとしたのだ。
そして、トイレから部屋へ戻る途中の事……。
「っとと、……ん? あれ??」
部屋へと戻る途中、通路の床にある収納スペースのその蓋が持ち上がっているのに気がついた。否、閉め忘れじゃ無く どうやら閉め損なって若干浮いているようだ。
「ん〜……、閉めとかないと脚ひっかけちゃうかな?」
隼人は手を伸ばして閉めようとするけれど、思ったより時間がかかる。
「んっ? んん?? あれ? 閉まらないや」
どうやら、中のものが引っかかって 閉まりきらないみたいだ。何度か押してみたが、固い何かが阻んでいて、完全に閉じる事が出来ない。無理矢理では無理な様だ。
「ふぅ……、仕方ない。整理しよっか」
収納スペースに手を伸ばした。
確かにこのままだと、ひょっと脚を取られて、倒れてもおかしくないし、色々と危ないと思う。……それに、何だか気になるのだ。そして、そのまま引っ張り上げ、中の物を取り出そうとした時。
「ッッ!!」
……ある物を見て、隼人の表情は一変した。
目を見開いて……そして、僅かだが汗もかいている。
「こ……これって……」
収納庫の中に入っていたそれを手にとってを見つめた。……それはヘッドギアの形をしたもの。
所々傷んでいて、機械の部分が露出している。
動くのかどうか?と考えればまだ生きていると思える。表面が傷んではいたが、内部にまでは及んでいなさそうだったから。だが、そんな事よりも驚くべきはある。
『……なぜ、これが家にあるのだろうか?』
「これって……ナー……ヴギア?」
隼人は、それを触りながら、確信した。
当然だ。
あれ程、楽しみにしていた機械であり、そして今のアミュスフィアの……前のハード。本当に楽しみだったゲームだったから。開発に一部ではあるが、携わった事もあるのだから。
「なんで……これが……僕の家に……っっ!!?」
ナーヴギアを見て動揺していた最中、突如 強烈な頭痛が隼人を襲ってきた。そして、その頭痛の中で、確かに訊こえてきた。
『爺やっ、あの世界凄かったよ。 僕 仕事全部キャンセルして打ち込みたい!』
ナーヴギアを触っている最中。
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