暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
現実世界
第122話 記憶の欠片
[3/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
…だよね……? お姉ちゃん。お姉ちゃんも今、頑張ってるんだよね? 絶対。……今はあの世界じゃない何処かの世界で……頑張ってるんだよね? ……私も、負けないよ。お姉ちゃんが、隼人くんが、戻ってくるその時まで。……皆との約束を果たすその時まで。あの綺麗な夕日。……こっちでも絶対に見るんだ。お姉ちゃんや和人君、隼人君たちと一緒に……!」

 眠り続けている明日奈の手を握り……そう言い続ける玲奈。そして、窓の外を見た。外の空気を感じた訳でも無いのに、玲奈は感じる。

――今日一日……特に冷え込むだろう。

 だから、玲奈は面会時間のいっぱいまで、姉の傍にいる……と明日奈と約束を交わしていた。明日奈の手を握り続け、温もりを途絶えさせない様に、と。

 いつか、きっと目を覚ますのを信じて。










 そして、場面と時系列が変わる。





〜桐ヶ谷家〜




 それはまだまだ肌寒い早朝の事。
 庭先で、剣道 竹刀を握り、ただ只管素振りを続けていた者がいる。その格好から、風貌から、そしてその素振りを見るからに、どうやら、剣道の自主練習をしているのだろう。

 その容姿、眉の上と肩のラインでバッサリとカットされた髪は青味がかるほどの黒。同じく深い墨色の眉はきりっと太く、その下の大きな、やや勝気そうな瞳とあいあまって、どこか男の子めいた雰囲気の少女。

 彼女の名は《桐ヶ谷(きりがや) 直葉(すぐは)》。

 SAO生還者(サバイバー)であるの桐ヶ谷 和人の妹だ。
 彼女は規定の回数を追えた時には朝日の角度がかなり変わっていた。休日だから、学校の心配は無いが、随分と熱心に毎日の日課をこなす努力家だ。そしてその実力は全国大会でベスト8に入る程の実力者でもある。

 直葉は、一通りのメニューをこなし終えた後、額の汗を拭い竹刀を降ろしてくるりと振り向いたその時。

「あ………」

 家に目をやった途端に直葉はぴたりと立ち止まった。

 そこには、兄がいたからだ。

「おはよう」

 和人と自分の目が合っていた。

 僅かに紅潮するその頬。恥かしいのと、嬉しい。その気持ちが入り混じった生活。
 
 彼女は、兄が帰ってきてくれたあの奇跡の日から、そんな毎日を過ごしていた……。

 兄が毎日、ある人のお見舞いに行くのが……胸の奥にズキリと残っていたが。兄が戻ってきてくれて嬉しいのには違いないのだ。



 そして、その日の15時を回った頃。


 汗をお風呂で流した後直葉は自室に戻っていた。


「はぁ……まさかお兄ちゃん、あんな無茶苦茶な型であそこまでするなんて……」

 直葉は、ベッドに寝転びながらそう考える。
 今朝、兄の和
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ