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ソードアート・オンライン〜Another story〜
現実世界
第122話 記憶の欠片
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……でも、会うことが出来ない。触れることだって出来ない。何も出来ない自分が嫌だった。
こうやって、助けを請うのも……。
でも、……もう言ってしまったんだ。
隼人に会えない事、姉の明日奈が目を覚まさない事、そして更に……あの男が現れた事。
特に最後の部分は、玲奈の心に深く傷をつけた。
帰りを待っているのに、心無い言葉を突きつけられた事もそうだった。
それは、あの男が和人と話していた時の事だった。
玲奈は席を外していたけど……断片的に、聞こえていた。それは、隼人の事と姉の事だった。もう、どこを探してもいないと言う事、そして……姉の命は自分が握っていると言う事。
姉の命に関しては、認めたくないけれど、正しいのかもしれない。
SAOを開発したアーガスが莫大な負債を抱えて消滅し……、その後のSAOサーバーの維持を託されたのが、レクトだ。
自身の父親が最高経営責任者を務める、《総合電子機器メーカー・レクト》だった。
そこのフルダイブ技術研究部門が今のSAOサーバーを維持している。……
あの男
(
・・・
)
は、そこの主任なんだ。
だから……。
でも、前半の言葉だけは どうしても認めたくなかった。
SAOサーバーを維持していると言う事は、リュウキと言うプレイヤーをきっと見つけ出せると言う期待も当然あった。……あの男に頼ると言うのは、複雑だったけれど、それ程玲奈は心配だったから。
彼は、色々手を尽くした、と口では言っていた。そして、最後に言ったのは、リュウキと言う人物は、存在しないという言葉だった。
そんな人物は、いない。……消滅してしまったんだと。
そんな訳無いと、聞いていた玲奈は勿論、和人も言ったが、全てのSAOのサーバーを探索出来る自分たちの部門の結果だと、覆さなかった。玲奈が来た事が、何か不都合でもあったのか、その男は直ぐに立ち去っていった。
その時の顔は、何処か嫌悪している様にも思えた。……どちらかといえば、自分たちが嫌悪する筈なのに、その男が何故か嫌悪していたのだ。《リュウキ》と言う人物について、何かを知っていて……そして、何か特別なものがある様だと感じられた。
「……隼人、君。私、わたし………。……って、ダメッ! ダメだよッ!!」
玲奈は、闇に落ちそうになった心を必死に立て直そうと、両頬を思い切り叩いた。
……気をしっかり持つようにと。 確かに今は、何も出来ないかもしれない。でも、それでも希望だけは絶対に捨てないと強く思っていた。隼人も、明日奈も。絶対に大丈夫だと、強く強く想う。
強がりだってなんだっていい。
悪い風にずっと考え続ける事より、何倍もマシだと思えるから。
「そう…
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