7部分:第七章
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香はそう答える。
「ここにね」
「ええ。かなりの妖気を感じます」
速水は沙耶香の前まで来た。闇に浮かび上がる彼女の顔を見て笑う。その顔は白く夜の中で月の光のようにぼんやりと光っていたのだった。
「ここに」
「そういえばここでも一人失踪したらしいわよ」
「女性がですか」
「ええ」
沙耶香は答える。
「ロスアンヘルスさんの妹さんとは別の方がね」
「そうでしたか」
「しかも。かなり強いわね」
沙耶香は述べる。述べながら右手を見るとそこには宮殿の如き中央郵便局の建物が聳え立っている。その建物を横目で見ながら話をするのである。
「強くなってきているわ」
「そうですね。ほら」
速水も右手を見た。見た方向は同じだがそれは正反対であった。沙耶香も同じ正反対の方向でありながら同じものを見たのであった。
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