暁 〜小説投稿サイト〜
黒魔術師松本沙耶香  紫蝶篇
6部分:第六章
[2/2]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
ええ」
 速水もその言葉に応える。
「ですから。これは」
「人が限られてくるということかしら」
「スペインでここまでの魔力の持ち主です。御存知ですか?」
「いきなり言われても」 
 沙耶香とてすぐにそうした人物が頭に思い浮かぶわけではない。スペインは日本から見てあまりにも遠いのだ。だからこれといって知っている人物もいないのである。
「わからないわ」
「そうですよね。私もです」
 速水にも心当たりはない。どうにも困った笑いになる。
「しかし」
 それでも彼は言う。
「かなりの術者であるのは間違いないわけですから」
「そうね。それにかなりの数ね」
 沙耶香はそこにも注視していた。
「攫われた数は」
「一体全体。何人攫っているのか」
「さてね」
 沙耶香はそれもまだ調べ切れてはいなかった。
「おおよその数がわからないまでね」
「それだけの女性を攫ってどうするのか」
「そこも問題ね」
 問題は実に多かった。二人は一旦コーヒーを飲んでからまた話に入るのであった。


[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ