問題児編 第1章 手紙に誘われ
最強の階層支配者
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十六夜少年が勝手に行動しそれを黒ウサギ嬢が追いかけるはめとなり、彼女の属するコミュニティのリーダーであるジン=ラッセル少年が彼女の役目を引き継ぐ形になるというイレギュラーが発生したため、本来の計画とは大分ずれたらしいが
やっと一息つけると、俺はレモンティーを、ティアナはミルクティーを頼み久遠嬢と春日部嬢から興味深い話ーー彼女たちの異能についての話を聞いていた所
「おんやぁ?誰かと思えば東区域の最底辺コミュ"名無しの権兵衛"のリーダー。ジンくんじゃあないですか。今日はお守り役の黒ウサギさんはいっしょじゃないんですか?」
張り付いた、薄っぺらい作り笑顔をしながらこちらの席に近づいてくるタキシード男がやってきた。視界に入った瞬間から嫌悪感を感じるこの男、しかも一瞬幻視した姿は血塗れの虎だ。真っ当な生き方をしていないことがうかがえる
ん?待てよ。俺今幻視した...?
おかしい。人間として今俺はここにいる。上位世界としての存在を概念的に封印することで依り代無しに存在を確定させてる俺が、その技能を現界で使えた...?ってことはやっぱりここは...
「蒼炎さん!」
俺はティアナの声で現実に引き戻される。見ればあの虎ーーえっと、コミュニティ"フォレス・ガロ"のガルドとかいったか?は俺たちと同じテーブルに座っており、そいつも含めて全員の目が俺、正しくは俺とティアナを見ている
えっと、どうしてこうなったのか記憶を探ってみる。確か...ガルドがいきなりこっちにきて、ラッセル少年のコミュニティの実態、魔王と呼ばれるものに全てを奪われてしまい底辺にまで落ちてしまったということをまるで同情することもなく、自慢気にこちらに教え、うちのコミュにこないかと誘ってきたと。その途中正論を振りかざしてはいたがそこの声にははっきりと新しい有能な駒が欲しいという思いが溢れ出ていた。そこからも俺はこいつと共に生き抜きたいとは思わないし、女性を入れようとは思わない。しかしこの少女達には甘美な誘いかもしれないと思ったが、それは俺の見立てが甘かった
初めに啖呵を切ったのは久遠嬢。彼女はここに来る前、かなりのお嬢様だったらしく、あの外道の誘いはまったく心が揺れないものであったらしい。春日部嬢はただ単に友達が欲しかったらしく、久遠嬢が友達一号になり、2人ともラッセル少年に着くことに決めたらしい。そして、俺の番になっていたようだ
「悪いが、部下を駒としか見ないような奴の下に付く気は無いし」
俺は一度息を吸い、目を閉じて
「てめぇ、ティアナが旗下に入ったらなにしようとしてやがった...?」
ーー考え事をしていても感じたこいつの卑しい感情。それを俺が見逃すとでも思ってんのか?
俺は少しの殺意を乗せてこいつを睨む。たかだか
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