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ダンジョンに転生者が来るのは間違っているだろうか
出発と契約
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てから初めて武器の名称を知ったわけだし。

「それで? その話のためだけに来たんじゃないんだろ?」

「おう。単刀直入に言わせてもらう。スウィード、俺と直接契約しないか?」

直接契約……確か、式さんがガドウって人と契約してるって言ってたっけ。
何でも、冒険者はドロップアイテムを持ち帰って、鍛冶師(スミス)は冒険者のために武器を作って格安で譲る。ギブアンドテイクの関係。

少しだけ考える。
ヴェルフはLv1。だが、Lv1であれだけのものが作れるのだ。なら、【ランクアップ】して『鍛冶』のアビリティが発現したとき、どれ程のものができるのか。
……これは、俺にとってもいい話だろう

「……分かった。ヴェルフとの直接契約。結ばせてもらう」

「本当か!!」

「おう。よろしく頼む、ヴェルフ」

「こっちこそだ! いや、断られるの覚悟で来たんでな。ダメ元でも言ってみるもんだ」

ソファーの背にもたれて一安心といった様子のヴェルフ。

「何で断られると思ったんだ?」

「何でって……そりゃ【バルドル・ファミリア】なんて上位派閥、下位構成員でもコネで有名な鍛冶師(スミス)と契約すると思ってたからな」

「どうなんだろうね。俺もそこらへんはあんまり知らないから」

その後、正式な契約書は後回しにすることになり、二人で色々と話した。
基本、ヴェルフの愚痴が多かったが、年が近くてこうやって親しく話せる人は少ないのでかなり楽しかった。
途中、パディさんが紅茶を淹れに来て、ヴェルフが恐縮していたが、それ以外はなんともなかった。

「それじゃ、今日はありがとな。これからもよろしく頼むぜ」

「こっちこそ。また」

ヴェルフを玄関まで見送り、今日の話し合いは終了した。
俺はヴェルフが帰ったあと、リビングに戻る。

集まっていた先輩たちにことの次第を話し、直接契約することになったことを伝えた。

「スウィードが直接契約っすか〜。よかったっすね!」

「ありがとうございます」

「それで? やっぱ、魔剣でも打ってもらうのか?」

「……え?」

魔剣? て、どういうことだろうか。

「フッ、その顔はなにも知らなかった顔だね」

いつものように髪をなびかせながら立ち上がるエイモンドさん。

「ヴェルフ・クロッゾ。間違いなく、彼の鍛冶貴族の家系だろうさ」

「鍛冶貴族?」

「昔、王国(ラキア)で名を馳せた魔剣鍛冶師のことだね。何でも、あの家が打った魔剣はそこらの魔剣とは比べ物にならない威力があったらしいよ」

「噂じゃ、海を焼き払ったとかあるな」

「……」コクリ

「や、焼き払ったって……」

そんなすごい人だったのか、ヴェル
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