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ダンジョンに転生者が来るのは間違っているだろうか
出発と契約
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右手で握り返した。

「……お前さんの武器がふざけたもんやのは分かっとる。ただ、何かあったら持ってこい。見てやるくらいはできるからな」

そして辺りを見回して誰もいないのを聞いているやつがいないのを確認すると「あと、振りだけでも研磨とかはやっといたほうがええ」と小声で付け足した。

こいつは、【物差し竿】とか【破魔の紅薔薇(ゲイ・ジャルグ)】のことを知っている数少ない外部の者だ。
まぁ、不壊属性(デュランダル)ついてて、尚且つ威力切れ味も下がらない一級品なんて、そんな壊れ性能な武器存在するのがおかしいものな。
最初見たときは驚かれた。家宝だと説明してはいるがな。

「ーー総員、これより『遠征』を開始する!」

士と話し込んでいると、そんな声が正面から聞こえた。
顔を向けてみれば、そこには左右にリヴェリアさんとガレスさんを伴ったフィンさんの姿。

「階層を進むに当たって、今回も部隊を二つに分ける! 最初に出る一班は僕とリヴェリアが、二班はガレスが指揮を執る! 十八階層で合流した後、そこから一気に五十階層へ移動! 僕らの目標は他でもない、未踏達領域ーー五十九階層だ!!」

フィンさんの声がこの場の全てのもの達の耳朶を震わせた。
見上げるバベル。その下にあるモンスターどもの巣窟。

「君達は『古代』の英雄にも劣らない戦士であり、冒険者だ! 大いなる『未知』に挑戦し、富と名声を持ち帰る!!」

「犠牲の上に成り立つ栄誉は要らない!! 全員、この地上の光に誓ってもらうーー必ず生きて帰ると!!」

俺は無意識に拳を作る。

「遠征隊、出発だ!!」

さぁ、遠征開始だ!!






ーーーーーーーーーーーー








「式さん、もう出発したんでしょうか」

「さぁな。つかお前も気ぃ引き締めろよ。このあと、来るんだろ?」

「はい」

正面のソファーで寝転ぶヒルさんにそう言われた俺は無意識に背筋を伸ばした。
今日は昨日訪ねてきたという【熊紋(くまもん)】と【銅鑼衛門(どらえもん)】の制作者、ヴェルフ・クロッゾさん。その人が今日改めて俺を訪ねてくる。
鍛冶師(スミス)の人と会って話をすることになるとは思ってもみなかったため、少しだけ緊張してしまう。

「スウィード。ヴェルフ・クロッゾ様がいらっしゃいましたよ。ヒル、そろそろ」

「おう、了解。んじゃ、落ち着いてやれよ」

勢いをつけて立ち上がったヒルさんは、パディさんと共にリビングから出ていった。そして、入れ違うようにして入ってきた真っ赤な髪に黒い着流しを着た男。年は俺よりも少し上に見える。

「あなたがヴェルフ・クロッゾさん、ですか?」

「お、おう。そう
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