暁 〜小説投稿サイト〜
遊戯王ARCーX 〜波瀾万丈、HERO使い少女の転生記〜
十五話 ー不動の奥義、です。ー
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「頼む……どうか、この俺に貴殿の技を授けてくれ!」

一同が唖然とする中、一人権現坂は両手と額を床へとつけ請い願う。

「え、あ、ちょっ……??」

自分へと向けられた土下座に酷く狼狽し、未だに顔を上げない権現坂を見る。
そして、なぜこういった事態になったかというと、二人のデュエルが終了し、間も無くの事だ。

権現坂と優希の二人は互いの健闘を讃えた後、権現坂は一人立ち尽くし浮かない表情を浮かべていた。

「…………優希」

名前を呼ばれ、振り返れば鼻が触れそうなほどに近い距離に権現坂が居た。表情を引き締め、何か決意を固めた漢のような表情の権現坂に圧倒され、冷や汗を流し、内心ヒヤヒヤとしていると権現坂は膝を屈しーー

そして、冒頭へと戻る。

◆◇◆

「え、ちょっ……!なんで、いきなりそんな事??」

手を前でワタワタと振りながら、未だに頭を床へとつけたままの権現坂へと尋ねる。
そして、曰く「人に物事を頼む以上、礼を尽くすのは必然だ」と。
しかし、考えてみてほしい。ここは権現坂の道場であり、勿論彼の門下生は大勢いる。そんな中で次期当主が友好関係にあると言っても、敵だった相手に土下座までして請い願うのは誰がどう見ても不味い。

「な、なんで……わざわざ私に??ていうか、とりあえず頭あげて」
「む、むぅ……これはすまん」

「このままじゃ、話もできないから」などと適当に理由をつけ頭を上げさせる。一応、土下座を解いてもらう事が出来たが、それでも背筋をピンと伸ばし律儀に正座をする権現坂。そして、権現坂は慎重な面持ちで語り始める。

「……優希、お主は聞いたと思うが俺は遊矢が一人の力で融合召喚を成功させ、俺自身も新たな地平を見つけるため、お前とのデュエルに望んだと。だが……」

見つける事は出来なかった、と。
そう呟き、首を横へ振る。
その表情は酷く辛そうに思えた。

「……情けない話、俺一人の力では不動の、俺のデュエルの新しい可能性を見つける事は出来なかった。……だが、一つそこへと至るヒントは、得られた。」

そう言った権現坂の瞳に映るのは、私。

「なんでさ??」
「どうか……どうか、この俺にお前の技術を学ばせてほしい!甚だ烏滸がましい願いだとは重々承知している。……これも一つ、人助けだと思って、頼む!」

頭を下げ、再び土下座しようとする権現坂をなんとか止める。

「そ、そもそも、道場の跡取りが土下座なんて……!」
「そんな事は関係ない。それに弟子達はきっとわかってくれるはずだ。」

そして、極め付けに
ーー親父殿に追い出されたとしても構わん
と。

「なっ……!」

思わず権現坂の決意の固さに絶句する。
どうしてここまで力に固執するのかはチートとも呼べ
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