不透明な光
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。どうせ結婚するなら、ああいう人のほうが良かったなぁ」
今更愚痴ってもしょうがないかと体を伸ばした瞬間、部屋の扉が開かれた。現れた幼馴染み改め夫は、濡れた銀髪に着崩したローブ一枚という、見る人間次第では黄色い悲鳴を上げそうな、艶めいた姿をしている。
「レネージュ」
「……なんか、来るの早くない? 気持ち悪いんですけど」
嬉しそうな上品な笑みが、逆にレネージュを不審がらせた。
彼女が知る幼馴染みは、彼女にこんな笑い方をしない。
「気持ち悪いは心外だな。ずっと、お前だけを見ていたのに」
グリークが一歩近付く。
レネージュはなんとなく座った事を後悔した。この姿勢では逃げようがない。
……元から逃げられないのだが。
「お前が俺に赦しを乞いながら屈辱と快楽に溺れ、生きたまま死んで行く様を見るのだけが楽しみだったのに」
「……っ!?」
海の碧が急速に濁っていく。レネージュの背筋に冷たいものが這い上がった。
「あんた……、誰?」
阿呆な問い掛けだと思う。目の前に居るのは先日まで幼馴染みだったグリークだ。見間違えようがないほど見慣れた美しい容姿の男。
なのに何故か、違うと感じる。
これは、グリークでは、ない。
「……グリークだよ。お前の夫で、お前の主人。さぁ、始めようかレネージュ。村を助ける為に」
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