暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第119話 光速の交響曲
[7/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
理解できた。

 キリトの事を、そしてキリトの後ろに携えている者の事を。キリトと共に、向かってきているのを。


「なるほど。リュウキ君………」


 ヒースクリフの剣撃は止まらない。そのまま、吸い込まれるようにキリトの頭上から振り下ろす……が。

 その刹那の瞬間。キリトの姿が今まで以上にブレた。

 システムが追いつかずまるで残像が見えているかのようなスピード。嘗て自分がこの男に使ったオーバーアシストをはるかに凌ぐもの。そして、最小限の動きで剣を躱して。

「……そう言う事か、やってくれたな……」

 ヒースクリフはこの刹那の時に。
 時間にして0,1秒ほどの時間に……呟けるほどの時の矛盾を感じた。きっと、それは走馬灯の様なもの、だろう。この戦い。

 そう……最初のキリトの技≪ジ・イクリプス≫の時もそう、

 ……最初に倒したはずの男が、目の前の黒の剣士に力を貸したのだ。どのような力かは判らない。その男は致命的な一撃を弾き、そして冷静さを教え、最後はシステム・スキルを捻じ曲げて見せた。
 二刀流最上位スキルである《ジ・イクリプス》その二刀流最大にして最強の大技。そう最上大技であるが故に、システム的に負荷がかかり、処理するまでに硬直をしてしまうはずなのだ。
 何よりも事、ゲームにおいては、最大の技は例外なく遅延が発生するものだ。

 VRMMOにおいては、負荷がかかり処理速度が追いつかないのだが、それは違和感無い。それだけに見合うだけの威力を秘めているのだから。だが、それを捻じ曲げ 即座に動ける仕様にした。

 それは、黒の剣士に異常な速度が加わる。

 その姿は漆黒の背後に、まるで白銀の閃光を纏っているかのようだ。

 それは、光の様に早くて、光の様に美しい。

 それはまさに……


 〜黒と白銀の交響曲(シンフォニー)


 ヒースクリフは、心底感服した。自身が作ったこの世界。神とさえ言える自分を……。システムを打ち破る人間の力を目の当たりにして……。


 キリトは、光速とも思える速度で、ダークリパルサー・エリュシデータ。
 その二刀を同時にヒースクリフの身体に突き刺した。


「ああああ!!!!」


 最後の裂帛の気合、黒と銀の波動を纏ったキリトのその一撃は、正確にヒースクリフの、現実世界で言う茅場晶彦の心臓部へと突き刺した。

 寸分も違わぬ一撃。人間であれば、最も深く致命的なダメージがゆく場所に。

 最後の一撃を受けたヒースクリフは、その神聖剣を落とした。

 そして、持っていた十字の紋章が刻まれた盾も地面に零れ落とした。そして、目を瞑る。最後に浮かんできた言葉を、口にした。



「見事………」



 そ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ