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ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第119話 光速の交響曲
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身体が動かなかった。止まった剣同様に、自分も動けなかったのだ。
走馬灯なのか?とも思ったが、違う。明らかに違った。
『……オレは、あの男の力の源……、最大の力でもある防御力を削いだんだぞ……? これ、最高のバトンパスじゃないか? ……後に続いてくれよ、キリト。』
間違いない。忘れるはずも無い。
(リュウキ……リュウキなのかっ!?)
キリトは声は出せなかったが、必死にそう叫ぼうとした。振り向こうとした。だが、動けない。身動きすら取れない。直ぐにでも動きたかったのに、その姿を見ようとしたのに。
その時だった。
『………落ち着け。そして集中しろ』
その男の声、返事はしなかった。だが、判る。間違いなく傍にいる声の主が誰なのかを。
『……今、あの男は完全にお前を舐めている。以前のデュエル時の時とは比べ物にならない、とな。……暴走して、ただただ感情に任せて暴れている愚かな男なのだと。……が、そこが最大限の狙い目だ』
――……の声は続く。
『……その隙をつけ、今あの男を倒すのには、ここで全てを終わらせるのは、それしかない。……後、これは特別サービスだぞ? キリト……、忘れるなよ。お前にはしなきゃならない事がある。……お前は
こっち
(
・・・
)
に来んじゃない……』
その言葉が終わると同時に目の前の世界が動き出した。
世界が動き出したと同時に、まるで自分の腕が羽の様に軽くなったのを感じた。本当に軽い剣。まるで、釣り上げられる様な感覚も同時に覚える。それは、鋭い一閃となり、自分の意思とは関係なく動き、ヒースクリフの最後の一撃の剣を防いだのだ。
「ッ!なにッ!?」
この事には流石のヒースクリフも予想外の事だった。
完全に我を失い、最後には≪ジ・イクリプス≫剣技スキルを使用。そして、システム的硬直時間で動く事は出来ないはずなのに動いたのだ。自分の剣を弾いたのだ。
「あっ………」
そして、キリトの目にも生気が戻っていた。その姿を見て……ヒースクリフには戸惑っているようにも思えたが。
「……少々侮っていたようだキリト君。最後のは何をしたのかわからないが、結果としては最高のタイミングの攻撃を躱されたんだからな」
ヒースクリフは、想定外の事だった為、一定の距離を置き、再び剣と盾を構えなおした。明らかに警戒心を上げた様だった。
「キリトくんっ!!!」
アスナは、驚きと嬉しさが一度に来て思わず叫んでいた。あの瞬間……キリトが斬られてしまうと思ったのはアスナも同様だったからだ。その時だ。
「あっ………?」
レイナが……ピクリと動いた。
「あ……れ………? りゅう……きくん……?
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