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ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第118話 愛してくれて ありがとう
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 《悪夢の光景》が、目の前に広がったのは。




 それは、突然。本当に突然だった。まるで、意識の外から 突如現れたかの様に、リュウキの体から、剣が出てきた。

 まるで……、リュウキの身体から、生えてきた様に その切先は、レイナに当たる寸前で止まっていた。




「……えっ…………?」



 レイナは、突然の事で……訳が判らない。一体何が起きているのか?

 この場にいる全員……、状況を理解する事が出来なかった。

 目の前にいたレイナさえも、判らなかったのだ。……この目の前での光景が。理解できるのは……、彼の、目の前のリュウキのHPが見る見る内に減少していくと言う、悪夢の光景だった。

 元々危険値(レッド)にまで達していたのに……更に下がり、消滅していく。



「……いや危なかったよ、リュウキ君。」



 そんな中で、聞き覚えのある声だけが辺りに響き渡った。
 誰ひとり声を発する事ができない状況の中、たった1人だけ、その声が周囲に木霊する。

 リュウキの後ろに、いつの間にか あの男が立っていたのだ。

 紅衣を身に纏っている聖騎士の男。いや、暗黒騎士と言うのが正しいだろう。

 あの男……茅場晶彦(ヒースクリフ)が。

「……もう少しで私のHPが尽きるところだった。恐れいったよリュウキ君。君のもっている全てか、……成る程、侮っていた様だ。先入観に囚われるのはよくない事だな」

 茅場はリュウキに剣を刺したまま……、ぐいっとリュウキの体を持ち上げるようにリュウキを立たせた。

「かや……ば……」

 リュウキは……この時、漸く自分が刺された事に気づいた。ヒースクリフに刺されたのだと理解した。

 だが……、それでも理解できないところもある。
 
 確かに……あの時、
 この男のHPゲージは、イエローからレッド……そして尽きたはずなのだ。敵前で生死を確認しないまま、背を向けるような愚かな事は決してしない。リュウキほどの百戦錬磨ならば、そんな愚考は起こさない。
 だから……確認したはずなのだ。この男は……あの最後の一撃で全損した筈だった。

「……わからない、と言った様子のようだ。それも無理はない事だよ。……あの瞬間、私は神聖剣のスキルである《リレイズ》を発動した。如何に様々な情報を持っている君でも、これは知らなかったようだね?」

 混乱をしているリュウキとは対照的に、茅場は、淡々とした表情でそう続けた。


《リレイズ》


 その効力は一度失った命を、魂を再び現世、この世界へと戻す。単純な話、RPGであれば、この手の術、呪文、魔法は無数に存在する。だが、この世界(SAO)で存在するとは……、思い
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