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異世界系暗殺者
女子(?)の時間(2016/03/31 一部加筆修正)
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く全員が想定していませんでした。


(一体どうすれば……)


私がそんなことを考えていると、私達の背後から急に現れた第三者から声を掛けられました。


「おい、兄ちゃん達。うちのお嬢と学友にちょっかい掛けるとか、いい度胸してんな」
「あ゛ぁ゛!何だ、テメ……!?」
「俺らを講談組の者と知ってて……!!?」


私達の背後から現れたのは、オールバックのスーツ姿に長ドス、アタッシュケースを持ったイッキ君でした。


「へぇー、講談組ね。その講談組の兄ちゃん達がうちのお嬢達に何の用があるんだ?」


イッキ君がヤクザの2人組にポケットから取り出した代紋を見せながらそう告げると、2人組は顔から血の気が引き、真っ青になりました。


「そ、それは武闘派で有名な集英組の代紋!」
「いくら同業とはいえ、うちのお嬢とお嬢の学友にちょっかい掛けてタダで済むとは思ってねぇよな?講談組さんよぉ」
「す、すみませんでした!失礼します」


イッキ君が睨み付けながらそう告げると、2人は逃げる様に私達の前から去って行きました。いいえ。2人組だけでなく、周囲にいた男性客も私達から距離を取っています。どうやら、私達は完全にヤクザの娘とその学友と思われているみたいです。


「……イッキ君、ありがとう。助かったわ」
「どういたしまして」


そして、私達の周囲から他の利用客がある程度離れた所で、片岡さんが私達を代表してイッキ君にお礼を言った。


「さっきのイッキ君、威圧の仕方とか本物のヤクザみたいだったよ。本物に会ったことなんて無いけど」
「いや、本物に会ったことも無いのに適当なこと言うなよ。茅野」
「っていうか、そのスーツと長ドス(?)、アタッシュケースはどうしたの?」
「ああ、これ?お前らが心配で俺も店に入ったんだけど、丁度その時にトイレに行こうとしてるヤクザのおっさんがいてな。トイレで襲撃して剥ぎ取ったんだよ。
ちなみにアタッシュケースの中身は麻薬だったけど、中身は全部ヤクザのおっさんと一緒にトイレの個室に置いてきた。今、この中に入ってるのは俺が着てた服と炎の玉璽(レガリア)だ」
「アンタは追剥か!!?」
「安心しろ、岡野。背後から一撃で仕留めたから顔は見られていない。それに襲撃した相手も良かった」
「え?それってどういう意味?」


矢田さんがそう尋ねると、イッキ君はポケットから1枚のカードキーを取り出しました。


「襲撃した相手、どうやらVIPフロアの利用客だったみたいだな。VIPフロア専用のICカードキー。無論、モバ律にも本物か確認済みだ。
これさえあれば見張りを素通りできるし、通り過ぎる時に運動中枢である小脳にショックを与える一撃を加えて、立った状態で気絶させること
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