暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第114話 仮想世界の本物
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て怒ることは無いと思えるが、リュウキはそう言っていた。


 キリトとリュウキ、ニシダが一悶着あった所で、戦いも佳境に入っていた。その巨体は突進の勢いを落とさぬままに、アスナとレイナを餌と定めてデカい口を大きく上げたのだ。……その体躯の差から、どんな屈強なプレイヤーでも太刀打ち出来ないと思われるだろうが、アスナとレイナはまるで問題ない。

 2人の美しく光る細剣。

 繊細なその武器が獰猛な巨体と交差した瞬間、まるで爆発じみた衝撃音が響き渡った。普通であれば、あの美しくも線が細い彼女たちが吹き飛ばされてしまう。……ギャラリーの皆がそう思い、顔を思わず背けていた。

 そう、普通であればだ。

 爆音の後、巨大な影が宙を舞った。それはあの巨大魚。2人は全く動いていない。

『……おおおおお!!!』

 まさかの衝撃光景を目の当たりにしたギャラリー達は、唖然としていたが、暫くして歓声へと変わっていた。女の子であるが、まさに女ヒーローであり、巨体を一気に吹き飛ばしたのだから、興奮しても不思議ではないだろう。彼女たちの一撃は、巨大魚の身体に赤い斑点をつけ、そのHPを大きく削っていた。

「お姉ちゃん!」
「うんっ!」

 アスナとレイナは、左右に分かれると、巨大魚が落下するその刹那、その落下点目掛けて突進した。その速度はまさに閃光そのもの。

 2つの光が交差した瞬間、巨大魚のHPを全て散らせた。

 ……2人の攻撃の軌跡が未だ残っている。


「リニアー……」
「2人の技見たら、あれが初級技だって思えないな」

 《リニアー》とは、細剣スキルで一番最初に習得できる技であり、初速こそは早いが単発技。だから、スキルが上昇していき新たな技を覚えていけば 使用頻度も落ちてくると思われるが……。

「……見事、としか言えないな」
「や、まったく」

 ニシダはまだ唖然としている間にキリトとリュウキは技について語り合っていた。

 敵の巨体が膨大な光の欠片となって四散した後。アスナ、レイナは2人同時に同じ様に チンっ、と音を立てて細剣を鞘に収めてこちらに戻ってきた。

「よ、お疲れ」
「もー、キリト君はだらしないなぁ、リュウキ君は素手でも戦うつもりだったのに」
「……まぁ、レイナに止められてしまったけどな」
「あったりまえじゃんっ! 無茶はしないって約束したもん!」
「……あんなのに素手で行こうって気概を持てるリュウキが異常過ぎるんだよ。人間、地味で慎重なのが一番だ」
「……そう言うが、キリトも人のこと言えないと思うぞ?」

 戻ってきた嫁2人と旦那達2人。緊張感の無いやりとりをしていた所で、ニシダが漸く口を開いた。

「……あ、いや、これは驚いた。あの主よりも、醤油よりも……、お
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