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ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第114話 仮想世界の本物
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それよりも文字通り大きなことがあるからだ。
そう、歩いてくる
アイツ
(
・・・
)
の事。
「おお、陸を走ってるぞ? 肺魚なのかなぁ?」
「仮に肺魚だとしても、……普通、陸を走るか?」
「ふ、2人とものんきなこと言ってる場合じゃないよ?」
「う、うん!あのヘンなの、走るの結構早いっ!?」
慌てている様だが、どこかに緊張感が欠如しているようなやり取りを続けている4人を見てニシダが駆けつけた。
この層では、フィールド上には、モンスターは現れない。
だから、ここで暮らしている人たちにとって、モンスターとの遭遇はまさに死活問題なのだから。
「みみ、皆さん! 早く逃げないと! 危ないですよ!!」
まだ、現実感?がなく硬直している数十人のギャラリー。
中には腰を抜かせているものもおり、今アイツを止めなければヘタをしたら惨事となってしまうだろう。
「キリト君は武器、持ってる?」
「……スマン、持ってない」
「リュウキ君は? 持ってる?」
「ん……、持ってないな。だが、このくらいなら体術で十分だと思うぞ?」
「ダメっ! それはダメだよっ!」
男2人は武器を持っていないようだ。
リュウキは、体術でいけるだろうと言っていたのだけど……、女性陣に止められた。モンスターがいないとされている層での敵の出現。そんな相手に無手で挑むのは危ないと言う事だった。
如何にリュウキだって例外ではない。
「もう! 私が行く。素手なんてダメだからね!」
「待って待って、レイ。私も持ってるから」
最終的に、この場の数十人のギャラリーを無事逃がすのは難しいと判断した。いよいよ間近に迫ってきた巨大脚付魚に2人は向き直った。
「き、キリトさん! リュウキさん! お、奥さんたちが危ないですよ」
「大丈夫ですよ、任せておけば」
「ん、2人は頼りになります」
「ななな、何を言うとるんですか!! あ、あんなの相手にっ! こ、こうなったら私が……!」
仲間から釣竿を引ったくりそれを悲壮な表情で構えた。
主相手に、竿で挑む。……釣りだったら、間違いない光景だけど。モンスター相手では明らかに間違えているだろう。
だから、キリトは慌ててニシダを制した。
無理に攻めて狙いを代えられでもしたら、拙いからだ。
「ほ、本当に大丈夫ですから、落ち着いてっ!!」
「そ、そうは言いましても! 夫が嫁を守らないでどうしますか! リュウキさんも! 早くっ!!」
「いや、キリトの言うとおりですよ。……横槍したら、逆に怒られてしまうかも、なので」
リュウキはレイナの方を見てそういった。
彼女もこの世界でずっと生き抜いてきたプライドだってあるし、腕も文句なしの超一流だから。レイナに限っ
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