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ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第114話 仮想世界の本物
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心配したキリトだったが、ニシダは首を振った。

「これは最高級の代物です! 思いっきりやっちゃってください!!」

 顔を真っ赤にさせながら興奮しているニシダ。無理もないだろう、ずっと待ち焦がれていた主を釣り上げるか否かの瀬戸際なのだから。

「ほらほら、頑張れキリト。気を使う余裕、あるのか?」
「なぬ!? み、見てろよーー!!」

 STRパワー全開!!と、自分の中のどこかで掛け声を1つ入れると思いっきり引っ張る!
 SAOのステータス振り分けは、レベルアップ時敏捷力と筋力のどちらかを上昇させるかは各プレイヤーが任意に選択することが出来る。キリトは、バランス型である。……いや、細部まで細かく見れば、やや敏捷型(AGI)とも言えるがほぼバランスが良い。
 例え、この湖の主が相手でも、レベルの絶対値が高いため、この釣り……と言うより綱引きにはキリトに分がある様だ。

「わっ! わわっ! キリト君、引っ張れてる! 勝ってるよ!」
「ん。大きさと言う補正が掛かっていると思えるが、それでも キリトが上の様だな。アクシデントでも無い限り、時間の問題だろう」
「あっ! 見えたよ!!」

 時間の問題だ、とリュウキが言ったと同時だ。
 アスナが気づき身を乗り出して水中を指差した。キリトは岸から離れて 身体を反らせているので、確認は出来ない様だけど。アスナの指している方を凝視する見物人たち。
 一目見ようと我先にと水際に駆け寄っていくが……。

「ぬおおおお………ん?」

 突然だった、キリトが必死に皆に見せてやろうと頑張ってるのに、湖面を覗き込んでいた観客達の身体が不自然にピクリと震えて、一気に猛烈な勢いで逃げていったのだ。それは、アスナやレイナも例外ではなく、ニシダと共に駆け出していった。

「って、おい! どうしたん……おわぁっ!」

 キリトは不自然に思って、振りかえろうとした時。
 突然、相手側の引っ張る力が無くなった為、キリトは後方へと転がっていき、ずどん!と盛大に尻餅をついていた。

「ああぁぁぁ……」

 この両者の筋力に糸の耐久値が切れてしまったのか。そう思ったようで、竿をほおり投げて飛び起きざまに湖に向かって走った。その岸辺にいるのはリュウキだけだった。

「ん。確かに逃げ出したくなるのも判らなくはない。か?」
「何の話だ何の!そ、それより、折角頑張ったのに、まさかのMiss! とは……」

 よよよ〜……と意気消沈するキリトにリュウキは首をかしげた。

「いや、成功だぞ? あれは、ある程度まで引けたら後は全自動になる様だ」
「……へ?」

 呆気にとられている様で、リュウキの方を向いたキリトだったが、直ぐに意味を理解する事になる。

「キリトくーんっ! リュウキく
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