暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第114話 仮想世界の本物
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〜第22層・コラル 湖の畔〜


 アスナから連絡が入ったのは、最初にメッセージを貰った3日後の朝。
 ……大会と聞いていたが、個人が釣りをするだけ、と聞いてそこまで人は集まらないだろう、と思っていたのだが、そのニシダと言う人は、太公望仲間に声をかけて回ったらしく……、考えていた以上の人数がここに来ていたのだ。

「……キリト」
「言うな。オレも戸惑ってる」

 リュウキの言葉を遮る様に、キリトは返した。
 今回ばかりはキリトも想定外だった様だ。お互い、情報屋やらアスナ、レイナの追っかけやらから身を隠す事もあった。レイナもアスナもこの場所が気に入ってくれた事は僥倖だったが、本来はあの74層のBOSS攻略後にあった出来事もあって、『誰も知らないすっごい田舎に引っ越してやる』と言う決意があったからだ。

 だけど……、今この場所は多いに賑わっている。

 目算で大体3,40人だろうか……、ニシダが釣り上げる獲物を楽しみにしているメンバーが揃っていた。いや、お祭り騒ぎをしたいからだけの様な気もする。

「あはは、本当に沢山いるね?」
「うん。お姉ちゃん、その格好似合ってるよ!」
「えー、レイも似合ってるよ。私達、お互いに農家の主婦だもんね〜」
「うんっ!」

 普段の自分たちからは大分かけ離れていると思う。
 地味なオーバーコート。アスナは、ロングの髪をアップに纏めており、レイナは元々ショートの為、髪はそのまま。そして、たまたま購入したワークキャップをかぶっている。キャップの鍔の部分をきゅっと握り、ニコリと笑うレイナ。

 アスナも同じように笑っていた。
 確かに、人数が多くて所在地がバレてしまったりするかもしれない。また色々と面倒事が起きてしまうかもしれない。……だけど、リュウキもキリトも思った。

――……2人が笑顔ならそれでも別に良い、と。2人が笑顔でいてくれるなら、と。


「まぁ、オレは逆にフードをかぶってない方がバレないんじゃないか? って言われたしな」
「あ、それはそうだろ。リュウキはずっと 不自然極まりないくらい顔隠してたし。知り合い以外じゃ攻略組くらいじゃないか? 顔バレしてるのって。滅多に見られないものだからこそ、バレたりしないだろ」
「……オレの事を、未知との遭遇みたいに言うんじゃない。まぁ、アルゴのおかげでフードをかぶるようになったから、それを考えたらアイツに感謝かな」
「付け上がりそうな気がするから本人には言わない方が良いぞ」
「……勿論だ。言うわけない」

 アルゴにそんな事言った日には どうなるか判ったもんじゃない。甘い言葉を言えば巧みに色々と誘導されそうだから。今後もずっと……。


『へっくしっ!』

 そして、某場所では とあるプレイヤー、頬に
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