暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第112話 ユイの心
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と推察できます。……私は、ゆっくりと、確実に崩壊していきましたから……」

 ……その言葉を聞いて、誰もが声を上げる事が出来なかった。その震える少女の姿をみたら、誰も……。

「……私の殆どが崩壊した、ある日の事でした。……私は、崩壊していても、行動理念、役割は忘れておらず いつものようにモニターをしていると、ほかのプレイヤーとは大きく異なるメンタルパラメータを持つ2人のプレイヤー達に気づいたんです。そのパターンは、これまで採取した中には、殆どと言っていいほど無いものでした。……喜び、安らぎ、それだけではない。この感情は一体何なのだろう、とそう想い、私はモニターを続けました。……そして、私はアスナさん、キリトさんの会話や、行動に触れる度に、私の中である欲求が生まれました。……それは、少しでも近くにいたいと言うもの、でした。……その頃には私はかなり壊れてしまっていたのだと思います」
「……それが、あの22層の森の中……?」

 ユイはゆっくりと頷いた。

「はい。キリトさん、アスナさん。……わたしは、ずっとあなた達に会いたかったんです。……そして」

 ユイは、目の中の涙をぱぁっと、散らばせながら、レイナとリュウキの2人を視た。

「膨大な負の感情の渦に飲まれていく私に、壊れていく事しか出来なかった私を助けてくれたのが、リュウキさん、レイナさんのお2人……なんです」
「ぇ……?」
「……」

 レイナは、なんのことなのか、判らなかった。
 ただ、苦悩を、少女の苦悩を自分の事の様に心配するだけしかできない。他人から見たら、ただの同情じゃないか、と思われるかもしれない。だけど……、それでも目に溢れる涙を止められないでいた。

「他のプレイヤーの脳波パターンと違ったからだと思いますが。リュウキさんの……事は、知っていました。 とても深い悲しみを持っていて……とても深い絶望を知っていて……、それでも尚、レイナさんと共に前に歩き出しているあなたの事、私は知っていました。……壊れていく最中に、確かに、それを強く感じていました。でも、ある日……それが消えて、残されたあなたの心の中にあったのは安らぎ、や喜び、レイナさんを大切に想う気持ち。……あの最悪な状況の中で、一際輝いて見えてました。……壊れていく私にとって、それが唯一の拠り所、だったんです。この世界で生まれた、2人の絆、その心が崩れかけていた私をつなぎ止めて、……そして、リュウキさんとレイナさんにも負けない程の温かさを持つキリトさんやアスナさんと巡り合わせてくれました」

 そして、ユイはキリトとアスナの方を見て、更に涙を流した。

「……キリトさんとアスナさんに出会えて、それだけでも私はとても嬉しくて、嬉しくて、感情を模倣しているのにそれに表現出来ないほど、嬉しかったんで
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