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ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第112話 ユイの心
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えられているんです。だから、似せていると、リュウキさんが感じられたんだと思われます」
「ぷ、プログラムなの? ……ユイちゃんが、本当に………?」
「わ、私……とても信じられないよ……。だ、だって、ユイちゃんは、あんなに……」
……ユイの笑っている顔。
時には、難しい顔をしたりして、そして 甘えて……、それは、人間のそれとなんら変わらない。例え感情を模写した機能が備え付けられたとは言え、そこまで……?
「っ……」
レイナはあることを思い出していた。
それは、かつてリュウキが……彼の辛い記憶の事。ナーヴギアの枷を取り払って、思考、感情、記憶まで制御出来る可能性があると言う事実を。ならば、ユイの様なプログラムも作ることだって出来るのだろうか?様々な感情を組み合わせ、この年端もいかない少女を作り出す事が出来るのだろうか?……だが、それが頭に回っても、可能性があるという事が分かっても。
目の前の少女が、作り物なのだとは到底思えなかった。
「……全部、似せているだけで、偽物なんです。……この涙も、何もかも……ごめんなさい」
慟哭の様な声を聞いて……レイナは何も言えない。ユイは、涙を流し、その涙はポロポロと流れ落ちる。落ちた涙は、光の粒子となって、蒸散していった。
アスナは、そんなユイの姿をみて我慢ができなくなった。
いくら自分で否定しても、今のユイは悲しみにくれている娘。我が娘にしか見えなかったんだから。だから、アスナは一歩ユイに歩み寄ったが、ユイはかすかに首を振った。
――その抱擁を受ける資格が自分には無い。
ユイの無言の拒否は、そう言っているかの様だった。
「で、でも、記憶が無かったって、そんなのあり得るの?ユイちゃんがAIだ、って言うなら……そんな事って」
「……二年前です。すべてが始まったあの日。」
ユイは、瞳を伏せて説明を続けた。
「何が起きたのかは私にも詳しく分からないのですが、カーディナルが予定にない命令を下したのです。プレイヤーに対する一切の干渉禁止。……ですから、私はやむなくプレイヤーのメンタル状態のモニタリングだけを続けました」
「……茅場」
ユイの説明の最中、リュウキが不意に口ずさんだのは、あの名前だった。皆も、同じ印象だった様だ。……ユイは、その情報を持たないのであろう。
だからこそ、何が起きたのかが判らなかったといったのだ。
「状態は、最悪と言っていいものでした。……ほとんどのプレイヤーは恐怖、絶望、怒り。……負の感情に常時支配され、時として狂気に陥る人すらいました。……わたしはそんな人たちの心をずっと見続けてきました。……あの時のノイズ。それは、私の中で蓄積されたエラーがシステム内で歪みを生んで、あの現象となったんだ
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