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ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第112話 ユイの心
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、闇は炎によって払われ、死神は2つに割かれて炎と共に消え去っていった。
死神は確かに消え去った。
だがあまりの事に、場の皆も状況が飲み込めなかった。
「ユイ……ちゃん……」
アスナは、掠れた声でユイに呼びかける。
「ぁ……よ、よか……った……」
レイナは、確かに判らない事だらけで、混乱を仕掛けていたけれど、……ただユイが無事な事を、死神が消え、そして皆が無事だったことを安堵していた。
不可解な現象の連続だったけれど、皆が無事だったのだから。
「………」
リュウキも、まだ意識は朦朧としているが、ユイの表情をしっかり見る事が出来た。何処か儚く、悲しそうなその表情を。
「……パパ、ママ、お兄さん、お姉さん。……全部、全部思い出したよ」
ただ、そう一言だけ発し 微笑み……、ユイは佇んでいた。
〜第1層 黒鉄宮地下迷宮 安全地帯?〜
そこは、真っ白な部屋だった。
まるで、色という概念が無いとさえ思える空間。その中でたった1つだけ、色が存在してた。それは、中央に黒い立方体の石机だった。
その石机にユイは座っている。
皆は無言のままユイを見つめていた。記憶が戻った、思い出したと言ってから、ユイは数分間沈黙を続けていた。その中で、リュウキが一歩前に出て、彼女が座っている石机に手をかざした。
「これ、か……。ユイが思い出した切っ掛けになったのは……」
沈黙が続く中……リュウキの声が響いた。
決して大きな声で言ったわけでもないのに、その声は低く、皆の頭の中に響いたのだった。
「はい、そのとおりです。リュウキさん」
「「「っっ!!」」」
ユイのその丁寧な言葉がリュウキの言葉以上に皆に響き渡る。やるせない予感、それも同時に不安と共に胸の奥に響いたのだ。
「ユイちゃん…、一体、どう言うこと……?」
「ここが切っ掛け……?」
アスナもレイナも、何処かでわかっていたんだ。
……そして、ユイの言葉で確信に変わった。何かが終わってしまったと言う、その切ない確信が。
「リュウキさんは……判っていたんですね。……私が、私の口から全部、説明します。――キリトさん、アスナさん、レイナさん」
「………」
リュウキは、目を俯かせた。
ただ、しきりに、あの黒色の石机を睨みつけていた。
「《ソードアート・オンライン》と言う名の世界は、ひとつの巨大なシステムによって制御されています。そのシステムの名は《カーディナル》。 それがこの世界のバランスを自らの判断に基づいて制御しているのです。 カーディナルは、元々、人間のメンテナンスを必要としていない存在として、設計されました。2つのコアプ
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