暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第112話 ユイの心
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そういった直後、リュウキの赤い瞳は、通常に戻る。その瞬間、糸の切れた人形のように、崩れ落ちる。レイナは、しっかりとリュウキの身体を抱きとめた。
「りゅ、リュウキ、くんっ!」
「はは……ごめんな、無理、したみたいだ」
レイナに軽く謝るリュウキ。
「も、もう……、リュウキくんは……で、でも……ありがとうっ」
「本当にありがとう、リュウキくん……、ユイちゃんを……ユイちゃんを……っ」
「リュウキ……」
アスナもキリトも、ただただ感謝の気持ちを伝えていた。
だが、リュウキは首を振る。
「これだけのシステム、だったんだ。……オレだけの、力じゃない……よ。」
リュウキは、皆の顔をみた。実際に、確かにユイと言うプログラムを、あのカーディナルから切り離したのは自分だ。だが、高性能のシステムの処理能力と言うものは、当然ながら人間とは比べ物にならない。ユイを助ける為には、それをも覆さなければならないのだ。
現実的には不可能だと言えるだろう。
強制排除シークエンスに入っていたと言う意味においても。
――だけど、間に合った。彼女をシステムから切り離し、カーディナルの手の届かない所にユイを連れてきたんだ。
あの皆が握ってくれていた手、そして想いがユイを強く結びつけ、ユイを削除する侵攻を遅らせた。そう確信ができるんだ。
「……アスナ、ユイはアスナとキリトがしっかりと連れて帰るんだぞ。必ず」
「……ああ。任せてくれ。ありがとう、リュウキ……」
「ありがとう……ありがとう……」
アスナは、ユイのクリスタルを手に持った。それに触れた瞬間、とくん、と光が瞬いた。ユイも、まるでお礼を言っている様に。
そして……。
『また、また……会いましょう』
ユイは、まるで笑っているかの様に……クリスタルの光の鼓動が数度続いたのだった。
〜第1層 はじまりの街 転移門前〜
シンカーもユリエールも無事本部へと戻ることが出来た。
そして、今回の事件の首謀者であるキバオウ、そしてその配下の者たちを除名とし、軍は解散した。だが、それは決して全てを放り捨てた訳ではない。真に理想とするギルド、皆に等しく平等にここの全住民に行き届くように計らうと共に、互助組織も作ると、シンカーは答えていた。
そのギルドに期待をしながら、キリトとアスナ、リュウキとレイナはこの場を後にする。
ここで、知り合ったサーシャや、子供たち。
名残惜しくもあるが、ユリエールやシンカーに見送られながら、光に包まれた。
〜第22層 コラル〜
家に帰る道中、キリトは、頭に両手を組みながらぼやいていた。
「は
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