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ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第112話 ユイの心
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ト、アスナ、レイナっ!! カーディナルに、ユイを渡すな。ユイは家族だ。……強く想うんだ!」
リュウキは、キーボードを打ち続けながらも、強く訴えた。
それは、気休めなのかもしれない。
だけど、何もしないよりはいい。
だから、皆は。
「っ!! ああ、渡してたまるか!!」
キリトが。
「ユイちゃんは……ユイちゃんはわたしの、わたしの子供っ渡さないっ!!」
アスナが。
「ここが、ユイちゃんのいる場所だよっ!お願い……届いてっ!!」
レイナが。
皆が、ユイの手を握る。
想いが重なり合って……ユイの身体が輝き始めた。
「わ、わたしは……っわたしはっ……!わたしは……皆と一緒にいても……良いんですか……?ママや、パパ……おねぇちゃんやおにぃちゃんと……。ぁ……」
ユイはその温かさを感じながら涙を流した。その温もりは、やがて消え失せてえしまう。ユイの右手が消えかかっているのだから。
「ユイっ!」
「「ユイちゃん!!」」
掴むことのできなくなった手を感じ、思わず3人は叫び声を上げていた。もう、その時が来てしまったんだと、思わずにはいられなかった。だけど……。
『渡さない』
強い想いが、光へと形を変え、ユイの身体を包んだ。
「もう、……誰かを失うのはごめんだ!!」
リュウキの心からの叫びが光の中に木霊する。大切な人を失う悲しみは、リュウキは、知っているから。 もう、あんな想いはしたくない。……そして、誰にもさせたくないんだ。
「ぐぁ!!」
その瞬間、リュウキが何かに弾かれた様に後方へと吹き飛んだ。
「リュウキくんっ!?」
突然の事の連続で、もう、レイナは半狂乱になりかねない状況だった。それは、キリトやアスナも同じだった。
「……はぁ、はぁ……」
リュウキは、浅く数度呼吸をすると……、ゆっくりと、手を上げた。眼はまだ赤いままで、メニューウインドウを開く。そして、ウインドウ内の赤く表示されている光点を二度クリックすると。
ユイの身体は、完全に光と共に消え失せ、代わりにユイがいたその場に大きな涙の形をしたクリスタルが残されていた。
「……こ、これは?」
「クリスタル……リュウキ、オブジェクト化したのか……?ユイを……」
レイナに支えれていたリュウキにキリトはそう聞く。リュウキは、親指をぐっと突き上げながら答えた。
「……あ、あ。成功、だ……、かっ攫ってやった、よ。……カーディナルがユイを消去する前に、システムから切り離した。……そしてその独立したオブジェクト。……クリスタルはユイそのものだ。……ユイの心だ」
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