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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第33話:モブらはみんな生きている 二
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かったよ……ちょっと用事があって遅れただけだ。ワザとじゃないってば」
俺が遅れると言う事は、俺と入れ替えで休憩に行くドンの時間を削る事だ。
怒るのは解るが、今回だけは許して欲しい。

「どんな用事があって遅れたんだ!? お前の所為で休憩時間が減ったんだ。聞く権利が俺にはある」
「確かに……でも良いのか? 俺の話を聞いてたら、もっと休憩時間が少なくなるぞ」
もう既に10分のロスが出ているのだ。それでも俺の話を聞きたいのか?

「納得いく理由なんだろ? 早く聞かせろ!」
「いやぁ〜……そこまで言うなら聞かせるけどさぁ」
俺は思わずニヤけ顔になる。

「実はさぁ、スカーレットを食事に誘ったんだ」
「何!? あのナイスバディーなメイドのスカーレットか?」
そうなのだ。スカーレットは結構良い体付きをしている。

「そ、そうだけど……その言い方は嫌いだな。俺は彼女の身体だけに魅力を感じた訳じゃないんだから」
「本当かよ?」
少し真面目な顔でドンの台詞を注意するが、遅刻を許してくれた彼は笑いながら俺の発言を否定する。

「……まぁ、俺も最初は身体だけしか見えてなかったけどね!」
「ほれみろ〜」
思わず笑いながら白状。
男なんてそんなもんだよ。

「確かにスカーレットは可愛いもんなぁ……俺も、もっと接点があれば口説いたのになぁ」
同じ城で働いていても、ドンとスカーレットは接点が少なかった。
俺にとって彼女との接点は、休憩時間が同じってだけだったし……グランバニア城は広すぎて仕事中に会う事など皆無なのだ。

勿論、メイドの仕事内容や兵士の仕事内容によっては、仕事中に仕事として会う事はあるのだろうけど、俺やドンには皆無だった。
そんな中で噂話好きの同期マイクが、俺に彼女を紹介して(紹介と言っても噂の情報源として)くれて接点を得る事が出来たのだ。

「何が『口説いた』だ? お前はリュリュ様一筋なんだろ!」
「馬鹿野郎。憧れてるだけで、リュリュ様を口説こうなんて考えてもいない!」
「本当かよ……酒に誘った事があるんじゃないのか?」
「俺は、あの事件とは無関係だ! ……誘った事はあるけど、『先約があるから』って断られたし」

「有罪じゃん。陛下に申告しとけよ……そして減給されちゃえ(笑)」
「うっさい、断られたんだから未遂だ! よって無罪だ!」
お互い笑いながらツッコミ合う。

「それに聞いた話じゃ、既にリュリュ様にはフィアンセが居るらしいぞ」
「はぁ、誰だよ……それ!?」
「何だ知らないのか? さっき聞いた話じゃウルフ殿がフィアンセだって噂があるらしいぞ」
え……そ、それって……

「安心しろ。それはデマだ」
「ほ、本当かよ!? っつか、何で言い切れるんだ?」
やれやれだな。
俺は休憩
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