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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第30話:思い出のバカンス……値切り交渉
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のか? 5億じゃないから拒否って馬鹿としか思えないぞ!」
『あ〜犯人君達……私の話を聞いてくれないだろうか?』
MH
(
マジックフォン
)
から離れて一生懸命犯人を説得してると、ティミーが優しい口調で話しかけてきた。
「な、何だ?」
『うん。先程も言ったと思うが、1年待てば税金を徴収して5億
G
(
ゴールド
)
用意する事が出来る。でも1年は待てないだろ?』
「あ、当たり前だ!」
『だから時間を金で買ってくれないだろうか?』
あ゛? アイツは何を言ってるんだ……
『つまりだ……我々は5億
G
(
ゴールド
)
支払う。しかしそれは1年後だ。だから君達は我々に4億9千5百万
G
(
ゴールド
)
を支払い、1年という時間を購入して欲しいんだ。その差額が今から支払う5百万
G
(
ゴールド
)
……お釣りって事だね』
「なるほど……流石殿下ですね!」
いや違う。
あれはティミーが考えついたんじゃない。きっとお父さんが思い付いた事をティミーが発案した風に装ってるんだ。
『それに如何でしょう……その船も身代金の一部としてお支払いするというのは?』
「船……?」
「大臣閣下! それも良い提案ですよ。この規模の客船であれば、1千万
G
(
ゴールド
)
くらいで売れるはず……まぁ5億には程遠いですけど、合計1千5百万
G
(
ゴールド
)
身代金支払いになる!」
現金5百万と豪華客船1隻……
連中の要求がとんでもないのであって、これはまずまずの成果だと思える。
犯人もそう思ってくれるだろうか?
「そ、そうだな……時間なんて普通は買える物じゃないし、この船も結構良い船だし……その申し出を受けてやっても良い」
人質の事を置いといても、命か1千5百万かと聞かれれば、答えは一つだろう。
『そんな大盤振る舞いしてやる必要ないのに……』
MH
(
マジックフォン
)
の向こう側で、ティミーとオジロンさんの腰の低い対応に不平を漏らすお父さん。きっとお芝居なんだろうけど、不安になってくるわ。
『では……船もお渡しすると決まったので、我々は軍の輸送船で身代金を即時届けようと思います。身代金受け渡しと同時に人質全員を解放して戴きたい』
「な、何だと!? この船に軍艦を近づけるのか?」
『ご、ご安心下さい。軍艦と言っても輸送船1隻……攻撃能力も無く、人や物を運ぶ為だけの船です』
「し、しかし……」
オジロンさんの提案に不安を見せる犯人。即座に拒絶しないのは、お父さんが今にもモンスターを嗾けてきそうだからだ。
『犯人さん、我々は今回の事を犯罪事件だと考えていない。これはビジネスだ……ビジネスには信頼関係が必要です。貴方達は人質を無傷で受け渡す。我々は金品を差し出す。この流れを信じて欲しい』
信じられるだろうか? 人質さえ戻れば、制裁与奪は思いのま
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