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異界の王女と人狼の騎士
第一話
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僕、君は君。いくぜ! 」
 そういうと如月は中腰になると思い切り息み出した。

「うーうーうーん。もちょっと。うーうーうー! はぁはぁ」
 血が回ってきたのか、彼の顔が紅くなりそして徐々に黒みを帯びてきている。額には血管の筋が数本虫がはい回るかのような形で筋を形成する。ギシギシという歯ぎしり音。体は小刻みに震え、けいれんを起こしているようだ。

 俺たち二人は、本能的に嫌な予感を感じ、恐怖した。

「きょへー!」
 奇声と同時に彼の尻が破裂した。

 ブバッ。

 真っ赤な血とピンク色の物体がジャージも下着も吹き飛ばし、如月の後方に飛び散って、背後の扉を真っ赤に染めた。茶黒い物体がドロドロとケツの穴から垂れだし、猛烈な悪臭を放つ。

「うおおおお、……うおおおお痛てえよぅ。たたたたた助けてって、痛い痛い痛いよう痛いよう」
 両目から涙をボロボロと流し鼻水は垂れ、涎がとどまること無く垂らしながら如月は呻いた。わめいた。叫んだ。中腰の姿勢を保つことができないのか、彼は跪き、さらに両腕で体を支える。
 俺たちはその異常な光景のためにまったく動くことすらできない。
 さらに如月は息みつづける。

 ぶぶっ。にゅるにゅるにゅる。

 屁の出るような音とともに、何か得体のしれない物体がケツの穴からはみ出てきているのを見てしまった。
 それはピンクと茶色と赤が入り交じった内臓のような物体だった。それがまるで生き物か何かのように数本破裂した如月のケツから顔を覗かせていた。

 グロテスクな光景と猛烈な臭気のため、寧々は俺の背後で吐いていた。
 教室には日向の吐く音と、如月の呻くような泣くような声だけが響く。

 そして次の刹那、彼の尻からはみ出たものが一気に伸びた!
「うおうおうお。あっあーああん! きききき気持ちいいぃぃぃぃぃぃっぃぃぃぃ〜っ!! 」

 如月の絶叫。

 彼の尻から這いだした物体は5本の腸の様な態様のモノだった。血と便がこびりつきどす黒くてかっている。それらが一つの器官のように屹立し、鎌首を俺たちの方に向けている。よく見ると先端の方には吸盤のようなものが無数に張り付いている。それは吸盤というよりも口のようにも見えた。三角形の尖った歯のようなものが生えている。
 まるで触手のようなものだ。ウネウネと漂い、臨戦態勢を取っているかのようにさえ見える。
 なんという不気味な光景なんだ。ただ、それはこの上なく危険過ぎる事態に俺たちが放り込まれたということだけは本能的に感じた。
 俺は考える間もなく、彼女の手を握り逃走を図ろうとした。

 しかし次の刹那、俺の右足に何かが絡みついたのを感じた。

 慌ててそこを見ると、いつの間にか伸びてきた如月の触手の一本が俺の太ももに巻き付いていたのだ
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