第154話 孫堅参上
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も孫堅の説明を受け真剣に顔になる。黄蓋も神妙な表情だ。
「そうまで言わない。だいたい、そんな回りくどいことをやる利が車騎将軍にないだろう。黄忠と娘を処刑して晒した方がよい見せしめとなる。荊州の太守と豪族もこぞって車騎将軍の元に馳せ参じるはずだ」
孫堅は孫策の考えを否定した。
「車騎将軍は襲撃者を黄忠に目星をつけ、彼女の身辺を洗った。その結果、彼女が人質を取られていることを知り、彼女が襲撃者と知りながらも敢えて襲撃を受けたってこと? まさか〜!」
孫策は「冗談言わないでよ」という表情で孫堅に言った。
「危険な真似を犯してでも黄忠を救おうとしたということですか? 車騎将軍にとって黄忠は初対面のはず。そんな相手にそこまで骨を折るなどありえるのでしょうか?」
黄蓋は孫堅の話に半信半疑だった。
「ありえないよな。私の思い過ごしか」
孫堅は恥ずかしそうに笑いながら言った。
「そうそう。そんな奇天烈な話より、車騎将軍が黄忠の容姿を気に入り体を要求したというほうが余程信じるわよ」
孫策は笑いながら言った。
「仮にそうだったとしても車騎将軍が事前に知っていたことになるがな。黄忠を取り押さえてから人質を探していては人質は手遅れになるはずだ」
孫堅は孫策に茶化され腹が立ったのか半目になり言った。
「黄忠の弓の腕は確かだ。腕に覚えのある武人でも虚を突かれればあの世行きだ。娘を救うことを条件に体を要求するような者にそんな危険を冒す度胸があるとは思えないぞ」
孫堅は続けて孫策を小馬鹿にするように言った。
「まあ、そうよね」
孫策も孫堅の話に納得はしていない様子だったが、自分の話はもっと説得力がないと感じているようだった。
「文台様、策殿。車騎将軍はどんな人物でもいいではございませんか。それより南陽郡に出向きましょう」
「そうだな」
孫堅は思い出したように手を叩き部屋の出口に向かった。
「母上、ちょっと待って!」
孫策は孫堅を止めた。
「まだ何かあるのかい。私は忙しいんだ」
「私だけ留守番なの?」
孫策は半泣き状態で孫堅の服の裾を掴んだ。孫堅は彼女の手を振り払おうと彼女の手を服から剥がそうとしたが、彼女は必死に裾を掴み離そうとしなかった。孫堅は苛立ち孫策を睨んだ。
「他に誰がいる?」
「ありえない! これ苛めでしょ。娘が可愛くないの?」
孫策は切れ気味に孫堅に文句を言った。
「娘が可愛くない母親がいるわけないだろ。可愛い娘だからこの城に留守番させて危険から守ってあげるんじゃないかい」
孫堅は菩薩のような優しい微笑みを浮かべつつ、孫策の手を解こうとした。しかし、孫策は孫堅の服の裾をがっちり掴んで離そうしな
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