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レインボークラウン
第二百四十七話

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            第二百四十七話  先に来たのは
 今田先生と今日子先生は教会でお茶を飲んでいた、飲んでいるのは先生達が持って来た紅茶だ。 
 その先生達にだ、使い魔達は怪訝な顔で尋ねた。
「あの、もう少ししましたら」
「悪魔も天使も来ます」
「どっちもかなり高位で」
「相当な力の持ち主ですよ」
「それでもですか」
「はい、こうしてです」
「待っていればです」
 それでとだ、先生達は落ち着いて答えるのだった。
「いいのです」
「私達は喧嘩をしに来たのではありません」
「喧嘩を止める為に来たのです」
「ですから特にです」
「騒ぐことなくです」
 そうしてというのだ。
「こうして相手の方々を待ちまして」
「そしてそのうえで」
「お二人が来られたら」
「お話をしましょう」
「ではこのまま」
「皆さんもどうでしょうか」
 使い魔達に先生達からいった。
「お茶を」
「どうでしょうか」
「まあ勧められるのなら」
「私達もですね」
「飲ませてもらいます」
「そうさせてもらいますけれど」
 使い魔達は主が勧める茶なので断らなかった、尚この茶は今田先生が淹れた茶でありかなり美味である。
 使い魔達もカップで飲みはじめる、だが。
 そうしつつだ、また言うのだった。
「美味しいお茶ですけれど」
「これからのことを思いますと」
「味を楽しめないです」
「ティーセットの方も」
「まあまあそう言わないで」
「そろそろだから」
 先生達だけが至ってのどかで。
 そうしたお気楽な中で急に雰囲気が変わった、すると。
 教会の上から声がした、声は機械音の様なものだった。
「さあ来るのだ悪魔アギエルよ」
「来たわね」
「そうね」
 先生達はその声に頷き合った、しかし。
 やはり呑気なままでだ、使い魔達はまた言った。
「天使が来たみたいですけれど」
「智天使ですよ」
「相当に強いですよ」
 こう言うのだった、彼等にとっては先生達のマイペースは今回ばかりは非常に不安になるものでしかなかった。


第二百四十七話   完


                             2015・6・18
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