第六幕その三
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「そうした気持ちもあってね」
「楽しいこともある」
ナターシャもこう解釈するのでした。
「そうしたことね」
「そうだね、これまではそうした気持ちは嫌だったしこれからもだけれど」
カルロスの言葉はといいますと。
「受け入れればいいね」
「そういうことだね、確かに苦しいこと悲しいことは嫌だけれど」
「人は生まれ生きていると」
ケーキも言うのでした。
「どうしてもね」
「そうですよね、苦しいこと悲しいことがありますね」
「オズの国でもね」
「ケーキさんもですよね」
「勿論よ」
その通りだとです、ケーキは神宝に答えました。
「そうしたこともね」
「そうですよね」
「そう、だからね」
「普通にですね」
「そうしたことは嫌でも受け入れるしかないのよ」
「受け入れてそして」
「楽しみの調味料にしましょう」
「楽しみ、それがいいものなら」
カエルマンの笑みはここでは気さくなものでした。
「それは苦しみや悲しみより遥かに勝る」
「いいものならですか」
「そう、悪い楽しみもあるよね」
「悪いことをしての、ですね」
「そうしたことはよくないよ」
「この国で言うとかつてのラゲドー王とか」
まずはこの人が挙げられました、かつてオズの国を侵略しようと何度も何度も悪巧みをした悪名高い人です。
「あと妖魔もそうでしたね」
「うん、あの種族もかつてはね」
「マボロシ族とか」
「それに靴職人ウグもね」
この人も名前が出ます。
「悪いことをしてね」
「悪いことを楽しみにしていましたね」
「こうした人達みたいなことはね」
「駄目ですね」
「そう、いいことをして楽しまないと」
それこそというのです。
「本当の楽しみじゃないよ」
「そういうことですね」
「そうだよ、ではね」
「はい、僕達もいいことをして」
「いい楽しみを楽しもうね」
「わかりました」
神宝はカエルマンの言葉に頷きました、そうしてでした。
全員で一緒にさらに先に進みます、そしてその豹のいる森に入りました。
森の中も勿論紫です、木の葉も下にある草もです。
全部紫です、その中の紫の茸を見てです。
ジョージは怪訝なお顔になってカエルマンに尋ねました。
「あの、この茸食べられますよね」
「オズの国に毒茸はないよ」
「ならいいですけれど」
「紫の茸は駄目なのかな」
「アメリカにも他の国にも毒茸がありますから」
オズの国の外の国はそうなのです。
「ですから」
「毒茸に見えるんだね」
「はい、他の色に比べて」
「確かに。茸が紫ですと」
神宝も言います。
「毒茸に思えます」
「本当に食べられるのかしら」
恵梨香もかなり不安気です、その茸を見て。
「オズの国のことは知っていてね」
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