暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第111話 死神の微笑みは別れの味
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語でもある事実であるからか、こう言う系のモンスターが嫌いと言う理由を抜きにしても、アスナもレイナもまるで心臓を鷲掴みにされるような悪寒が全身を貫いていた。

 だが、話によればここは60層前後の難易度。それに、これまでのモンスターも同じ程度であり、レベル的には何ら問題ない筈だ。どうにか恐怖心を押し殺した2人は細剣を構え直す。その時だった。
 普段とはかけ離れた様な掠れた声が聞こえてきたのは。

「……皆をつれて、早く此処から逃げろ」

 そう答えているのはリュウキだった。いつも、強気であり、あの75層の悪魔を眼前にしても臆するどころか、単身で迎え撃つ強靭な精神力を持つこの男が即座に撤退を指示したのだ。

「え……?」
「リュウキ君っ??」

 その事実に信じられないような顔をするのがアスナとレイナだ。
 
 キリトとリュウキ。

 この2人が組めば、どんな相手でも、例え戦闘力が未知数な相手でも太刀打ち出来る。その印象は、あの笑う棺桶(ラフコフ)達だけではなく、攻略組にも浸透されている程の力量なのだから。
 だから、2人は 何故? と聞こうとしたその時、キリトが代わりに口を開いた。

「こいつ……やばい、俺たちの識別スキルでも、データが見えない。強さ的には多分90層クラスだ……!」

 キリトの眼前、敵の定冠詞の横には、はっきりと表示されている。そう、《unknown》と。

「「っ!!?」」

 その言葉に息を呑むのは、レイナとアスナ。だが、そんな間にも、悠々と死神は空中を四方八方に動き続ける。緩急をつけて動くその速度は、正確な最高速度を読ませる事が出来なかった。
 だが、距離が離れたからこそ……重大な事実を話す事が出来る時間が生まれたのだ。

「ユイ達をつれて、クリスタルで脱出しろっ! ここは俺たちが「お前もだ!キリト!!」っっ!?」

 低く、掠れた声はまだ継続されていたが、それは有無を言わせない迫力を孕んでいた。

「違う、……こいつは90層クラスなんかじゃない……」

 リュウキは額から流れ出る汗が止められなかった。

「な、なに?」

 キリトは、そのリュウキの言葉を理解出来なかった。自身のレベルは90以上を突破している。それなのに、識別データが見えないと言う事は間違いなく90以上の層に現れるモンスターだと計算出来る。

 計算以前の問題だ。

 それに、ここアインクラッドは100層が頂上なのだ。故に90層クラス、それ以上、上は存在しない。その玉座で待ち構えているであろう、アインクラッドの本当の主しかそこにはいないのだから。
 だから、リュウキが言っている意味がよく理解出来なかった。

「……オレの《眼》は、相手の全てを《視る》、BOSSのレベルの高さなど関
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