暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第111話 死神の微笑みは別れの味
[9/11]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ド!」

 その刹那の時。リュウキは、極長剣を大きく振るい、光を生み出した。その光の筋は、瞬く間に軌跡を残しながら敵の闇に衝突する。


――光と闇。


 相反するその2つの属性。
 古来より、様々なゲームでも登場するその属性は互いが共に弱点の属性でもあるのだ。

 なのに、リュウキの放った《クリティカル・ブレード》の光の波動はその深淵の闇に、瞬く間にかき消された。
 
 敵の闇は……遥か大きい。

 だが、一瞬の隙を作ったのは事実だった。キリトが即座に跳躍するかのような速度で、ダッシュをし、敵をぶっちぎりユリエールに到達。彼女の身体を抱き抱えると、そのまま跳躍した。そのキリトがいた場所に大きな衝撃破が生まれる。
 どうやら、あの場所に攻撃された様だ。

 攻撃を加えられた事と、そして、目の前にキリトが来たと言う認識で 敵は標的を変えた様だ。ユリエールから、キリトへと。その間に、キリトはユリエールの体を離し、距離をとった。圧倒的に適正レベルよりも低い彼女を守る為だ。突然の事に、呆然と倒れていたユリエールをレイナが起こし、そしてアスナはユイを預けた。

「このコと一緒に安全地帯に退避してください!」
「急いでっ!! 時間はあまり無いから!」

 レイナの活と、目の前で心配そうな表情をしているユイの顔を見てユリエールはなんとか心身を立て直すと、素早く頷いた。ユイとユリエールが間違いなく、安全エリアに入れた事を確認すると。

「お姉ちゃん!」
「ええ!」

 2人は、細剣を抜き、あの闇へと駆け出した。そこでは、2人の男が牽制している。

「……見えるか? リュウキっ」
「っ……」

 キリトの言葉にリュウキは歯軋りをした。……それは最悪の出来事。自分たちの慢心が招いた結果だとでも言うのであろうか。

「……拙い、な」

 リュウキの額からも、汗が滲み落ちていた。その闇の正体はもう明らかになっていた。

 表示されている名前は《The Fatal-scythe》、《運命の鎌》という意味であろう固有名を飾る定冠詞。即ち、BOSSモンスターである証を携えている。
 
 大きさは、自分たちよりも倍はあろう程で、あのグリームアイズよりは一回りは小さい。ぼろぼろの黒いローブをまとった人型のシルエットで、フードの奥と袖口から覗く腕には、あの漆黒の闇がまとわりついて蠢いている。 ……まるで、さっきの闇を全て自身に集わしたかと思える。暗く沈む顔の奥には、不自然なほどに浮いた眼球が第一印象に備えてあり、髑髏をイメージさせる風貌。

 右手に握る巨大な大鎌から連想するに、それは死神のそれだった。

 圧倒的な存在感を放つ死神。……死神を見たものは不幸になる。死が迫っている。などと言う話は様々な物
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ