暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第111話 死神の微笑みは別れの味
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いユイの笑顔を見せられたら、もう微笑み返すしかないだろう。笑顔を返すユリエールの顔を見て、更にユイは笑顔になっていた。

 そんなユイを見て、アスナは想った。

――ユイは周囲の人達の笑顔に敏感に反応するのではないか、と言う事。

 あの原因不明の発作があった時も、子供たちが笑顔を取り戻した時だった。それが、ユイの生来のものなのか、あるいはこれまでにずっと辛い事を経験していたからかは判らない。 ……判らないからこそ、アスナはずっとこのコの前では笑っていようと心に誓ったのだった。

 それは、レイナだって同じだ。……レイナにとっては、ユイは大切な《妹》なのだから。笑顔がとても似合い、周囲の皆を温かい気持ちにさせてくれる少女なのだから。このコから笑顔を奪うような事はさせないし、させたくないと、誓ったのだった。



 その後もどんどんダンジョンを踏破していく4人。軍の精鋭10人以上程のメンバーが数日掛りで到達した場所を僅か30分足らずで到達した時は、ユリエールは改めて驚愕していた。
 
 だが、それは別におかしい事ではない。

 ダンジョンにおいて、最大の足止めの役割を担っているのが、敵モンスターの存在だ。その相手をするからこそ、時間もかかるし、撤退しなければならない危険性も出てくる。……だが、その最大の足止め役も、まるで意味を成さない。2人の剣士が瞬く間に屠ってしまうからだ。途中からのモンスターは、水棲型のモンスターだったが、徐々にシフトチェンジして、最終的には、ダンジョンの雰囲気にピッタリのモンスター、アストラル系へと変わった。

 ゾンビだったり、ゴーストだったり。

 その醜悪さは、リュウキが先ほどレイナに言ったその場所にも負けずと劣らずであり、レイナは勿論、アスナも身が凍る。だが、意に返さずに突破していくのが、3本の剣。
 2本のロングソード、1本のスーパーロングソードだった。もう少し余裕があれば、ユリエールのレベル上げも出来たかもしれないが、今回の真の目的は救出。
 だから、攻略速度のみに没頭したのだ。

――……結果、1時間も経過しないうちに、マップに表示されている現在位置とシンカーがいるとおぼしき安全エリアは着実な速度で近づき続けたのだ。

「……正直、話を聞いてて、オレはあの男を斬り捨てたい、と言う衝動に苛まれたが……」

 リュウキは、極長剣を肩に担ぎながらユリエールにそう言う。もう、戦闘をしているのはキリトのみであり、粗方の敵を葬り終わったのだ。

「それは、2人に任せた方が良さそうだな。軍に、ALFとって余所者であるオレよりは」

 そう言って笑っていた。
 その笑顔の真の意味が、ユリエールには判らなかった。だから、ユリエールはただ、『必ず報いを受けさせる』と言う事を約束し
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