暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第111話 死神の微笑みは別れの味
[2/11]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
キの言葉に頷く。このダンジョンが口を開いたのはここ最近の出来事だからだ。

「リュウキさんの考えで間違いないと思われます。このダンジョンが現れたのはつい最近の出来事ですから。発見されたのは、キバオウが実権を握ってからのことで、彼はそこを自分の派閥で独占しようと、計画をしていました。……長いあいだシンカーにも、もちろん私にも秘密にして」
「成る程な。未踏破ダンジョンは危険もあるが、魅力も多数あるからな」

 ハイリスク・ハイリターンと言うものだが、十分に作戦を練り、安全に攻略をしていけば問題ないだろう。 現にこれまでの未踏破ダンジョンはそうやって、慎重に攻略を進めてきたのだから。

「だな、一度しか湧出しないレアアイテムもあるし、宝箱だってあるだろうし。そりゃ、さぞキバオウさんは儲けただろう」

 皮肉をたっぷりと込めながらそう言うキリト。
 彼の印象は、SAO開始当初からも良くなかったが、よもやここまでとは思ってなかったのだから。

「それが、そうでもなかったんです」

 ユリエールの口調が、この時だけ、僅かに痛快といった色合いを帯びた。

「基部フロアにあるにしては、そのダンジョンの難易度は恐ろしく高くて……、基本配置のモンスターだけでも60層クラスのレベルがありました。当時は実質50層よりも上の戦闘を経験したことが無いプレイヤーだけですし、命からがら脱出して、クリスタルを大量に使いまくって、大赤字だったとか」
「ははは! なるほどな!」

 キリトは、良い気味だと思わずにはいられないだろう。だが、笑ってばかりもいられない。……そのせいで、シンカーを救出する事が出来ないと言う事でもあるんだから。

「60層クラスだったら問題無いだろう。……そんな所で苦戦して、脱出をするぐらいなのに、何故75層までやってきたのか……」

 理解に苦しむ、と言わんばかりにリュウキはため息を吐いた。
 60層でも無理だったのに、何を計算すれば 当時の最前線だった75層に来られると思ったのだろうか。……回復結晶を大量に使い、盛大に浪費させながらあの場にまで来られたと言う事はわかるが。

「……とても、心強いです」

 ユリエールは、リュウキの方を見て頭を下げ、そして アスナとレイナ、キリトの方を向いた。

「そうだな。60層くらいなら」
「なんとかなると思います」
「うん。安心してください、ユリエールさん」

 3人もリュウキと同じ回答だった。
 恐ろしく強いと聞いていたが、具体的な数値は知らない。階層を言って、その反応を見れば大体の推察は出来るが、この4人は全くと言っていいほど、動じなかった。これほど、心強いものは無いだろう。
 ……ユイが居ると言う心配事はあるが。


 アスナは、60層と言う情報を
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ