暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第111話 死神の微笑みは別れの味
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〜第1層 はじまりの街 黒鉄宮〜


 その場所は、町並みの向こうに黒光りする巨大な建造物内。
 はじまりの街の最大の施設で、正門を入ってすぐの広間にはプレイヤー全員の名簿である《生命の碑》が設置されている。そこまでは、誰でも入ってくる事が出来るが、奥に続く敷地の大部分が軍によって選挙されてしまっている為、入れない仕様になっているのだ。……が、今回は正門までは行かなず、裏手に回った。 その裏手には、人通はまるでなく無人そのもので、その高い城壁が続いているだけだった。

 裏手に回って更に数分後、石壁に暗い通路がぽっかりと口を開いている場所に到着する。

「ここから、宮殿の下水道に入り、ダンジョンの入口を目指します。ちょっと、暗くて狭いんですが……」

 ユリエールはそこで一呼吸をおき、気がかりそうな視線をユイに向けた。
 ユイはと言うと、連れてきてもらったことがとても嬉しかったのだろうか、キリトに肩車をしてもらいながら、ニコニコと笑っている。でも、ユリエールの顔を見て、心外そうに顔をしかめた。

「ユイ、こわくないよ!」

 そう主張したのだ。
 その様子を見て、思わず皆は微笑を漏らしてしまう。

「大丈夫ですよ。このコは見た目よりもずっとしっかりしてますから」
「それに、戦闘になったら、男手は沢山ありますし、私とお姉ちゃんとでしっかり守りますから」

 アスナとレイナはしっかりとそう答えた。
 キリトは、ユイに『将来は立派な剣士になる』と頷きながら言い、リュウキは『アスナとキリトの娘だからな』と何処か納得した様子で頷いている様だ。

 どこか緊張感のないやり取りだったが、ユリエールはとりあえず 大きく頷くと。

「では、行きましょう!」

 先導し、ダンジョン入口まで案内するのだった。







 そのダンジョンまで行く道中の事。

「まさか、はじまりの街の地下にこんなダンジョンがあったなんて……」
「だよね。私、何度もここに来たことあるのに、まるで気付かなかったよ」

 アスナの言葉にレイナは頷きながら答えた。
 この場所、黒鉄宮にはレイナが言うとおり、何度も足を運んだことがある。悲しみと、そして安心の2つを何度もここで味わったものだった。……生命の碑で、生存を確認するのは何度であっても慣れる事は出来ないだろう。

「む、βテストの時は無かったぞ。不覚だった……。いや、見逃していた、のか?」
「間違いなく無かったよ。キリト、少なくとも、16層が開通した時も無かったはずだ。だから、もっと上層に到達するのが条件だったんだろう。……テストの時は作らず本番で挿入したかのかもしれないな」

 2人の元βテスターは、それぞれ意見交換をしていた。ユリエールも、リュウ
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