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ご注文は護衛ですか? 
第二話 たかが一杯。されど一杯。
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があってだな!?」


私は、何とか話題を逸らそうと、苦し紛れの言い訳を思いつく。
だが、割とこれはいい言い訳ではないだろうか?
彼が軍の人間であることは確かであるし、軍関係で知り合ったのも嘘ではない。
(あれ?これもしかして完璧な、かなりパーフェクトな説明じゃないのか!?)


チノ「なるほど、という事は軍人さんなのですか?」

ココア「ぐ、軍人さん……?え、えっと、確か言葉の後にサーをつけるんだよね?サー!」

雄二「確かに軍人ではあるが、今は一線から外れているし、特に一般人と変わりはない。それと、俺はサーと敬称を付けられるほど偉くはない。普通に雄二と名前で呼んでもらって構わん」

ココア「そ、そうなんだ。よかったぁ。リゼちゃんなんか、初対面で私に銃を向けてきたから、軍人さんはみんな気難しい人達なのかなーって」

リゼ「あのことは私が悪かったと謝っただろう?それに、私ってそんなに気難しいか?」


一斉にみんな目を逸らした。
(え?嘘だろ?私ってそんなとっつきにくいオーラ出してたか!?)


ココア「そ、そんなことないんじゃないかな?」

リゼ「じゃあなんで疑問形なんだよ」

チノ「リゼさんは、ある意味うさぎと似ているかもしれません」

リゼ「なかなかなつかないと言いたいのか!?」

雄二「まあ、人はみんなそれぞれだ。気に病むことはない」


そう言って、彼は励ますように肩を叩く。
だが、口の端が僅かに持ち上がっている。


リゼ「笑い、こらえなくてもいいぞ」

雄二「わははははは!!!」

リゼ「そんなに笑うことないだろ!?」


恥ずかしいやら、悔しいやらで頭がごっちゃになった私は、懐からナイフを引き抜き、下から彼の首の皮かすめるように突きを繰り出す。
ヒョイ、と私の完全なる不意打ちを、当てる気はなかったが、彼は座ったまま首を少し動かしたまま回避する。


ココア「ちょ、ちょっとリゼちゃん!危ないよ」

チノ「ゆ、雄二さん危ない!!」

そんな私を見かねた二人が、制止に掛かるが、頭に血が上った私は、気にもせず連続で彼を攻撃する。
だが、

リゼ「こ、この!このこの、このぉ!!」


悔し紛れに私は連続で突き、薙ぎ払い、峰内など、多彩な技を混ぜて彼に攻撃を加えるが、全て最低限の動きで回避される。
(なんで、なんで当たらないんだ!!)
私は途中から全く遠慮などなしに当てにいっているというのに、それが全て紙一重で回避されてしまう。
それも、コーヒーカップを優雅に持ったまま、でだ。


チノ「なんだか、ボクシングのスパーリングみたいになってきました」

ココア「二人とも、頑張れーー!!」

リゼ「くうううう!!」


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